神奈川県箱根町
「『いのち』について」をテーマに語り合う
箱根町強羅の名勝神仙郷で「第7回いのちの研究会」が6月23日に開催されました。
国指定登録有形文化財である日光殿を会場に行われた同研究会には、会場およびオンラインで約140人が参加しました。
主催者を代表して加藤眞三慶應義塾大学名誉教授が研究会開催の経緯と願いを説明。町田知里さんがアマミ舞を、鎌田東二京都大学名誉教授が石笛・横笛・法螺貝による演奏を奉納しました。
「『いのち』について」のテーマのもと、鎌田名誉教授、島薗進東京大学名誉教授、町田宗鳳広島大学大学院名誉教授、加藤名誉教授、上田紀行東海学園大学特命副学長の5人が、それぞれの研究に基づいて講演しました。
演題一覧
●鎌田東二京都大学名誉教授
いのちのこえをきく~奥能登空海足跡エコ復興ツーリズム計画と真脇「縄文未来研究会」の遺志にふれて
●島薗進東京大学名誉教授
痛みとケアのスピリチュアリティ
●町田宗鳳広島大学大学院名誉教授
「いのち」と戯れる:「遊ぶっきょう論」序説
●加藤眞三慶應義塾大学名誉教授
神・仏に代替する言葉としての「いのち」
●上田紀行東海学園大学特命副学長
「いのち」と「生命」〜見えるものと見えないもの
講演に続いて、5人による総合討論が行われました。医学的な観点や宗教学的な視点、さらにはAIが爆発的に普及し始めている社会的な認識を踏まえつつ、「いのち」とは何か、「いのち」をどう扱っていくべきかなど、熱い議論が交わされました。その後、質疑応答が行われ、盛会のうちに研究会は終了しました。
「いのちの研究会」に先立ち、講師一行は、係員から説明を受けながら箱根光明台および名勝神仙郷を散策。造営した岡田茂吉の願いや取り組みへの理解を深めました。特に苔庭では、約130種に及ぶ苔が全国の会員から寄贈されたものであり、中には専門家によって希少な品種と認定されたものもあることなどを聞き、感慨深く見入っていました。
主催/いのちの研究会