私たちの体と心は、毎日の食事によってつくり上げられていきます。食べることは生きること。そして人生を形作ること。おなかを満たすだけではなく、未来の自分づくりにつながると意識するだけで、食事の時間がとても大切なものに感じられるのではないでしょうか。
生活習慣病が増加する中で見直され、海外からも注目される日本型の食事を取り入れ、自然の豊かな恵みと生産者の愛情がこもった自然農法農産物や有機食品を用いた料理を楽しんで食べてみましょう。
岡田式健康法の食事法は、大自然の豊かなエネルギーがぎゅっと詰まった食材を、バランス良く楽しく食べ、体に備わる機能を活性化させることで心身の健康を目指しています。
岡田式食事法には、6つの実践ポイントがあります。
1.ご飯を主食にする
2.食材の多様性を意識する
3.生命力が強い食材を選ぶ
4.素材を生かす調理を工夫する
5.適したリズムと量を意識する
6.五感で食事を楽しむ
岡田式食事法の考え方に基づきながら時短の知恵も織り交ぜたおうちご飯レシピを参考に、まずはできることから毎日の食事を見直してみませんか。
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日本人は、四季折々に取れる野菜や魚を、ご飯と合うように調理して上手に食べてきました。伝統的に食べてきた野菜や果物、魚介には、がんや老化の予防につながるフィトケミカルなど有効な成分が含まれています。祖先から受け継がれてきた食文化は日本人の健康に役立っており、海外からも注目されています。
MOAの創始者・岡田茂吉は、食事を通じて自らの健康を回復した経験などから、消化・吸収など体の機能を活発にし、人間が本来持っている自然治癒力を活性化させる食物の働きに注目しました。健康な土で育った米や野菜、新鮮な魚介など生命力あふれる食物が体の機能をより高め、活力となって心身の健康につながると考えたのです。
ミニ体験談
両手にできた湿疹が1カ月ほどで全身に広がり、激しいかゆみやむくみで休職せざるを得なくなりました。MOA食育指導員の知人から食事法を勧められ、間食をやめ、野菜を中心にし、調理も薄味を心掛けました。1カ月ほどで顔や腕のかゆみやむくみが治まり、4カ月で職場に復帰。一緒に食事をした夫の糖尿病の数値も正常になりました。
復帰した職場ではアトピー性皮膚炎に悩む同僚のことが気に掛かり、力になれればとの思いから体験を伝えて岡田式健康法を紹介し、とても喜ばれました。人の役に立てることに私自身も喜びを感じました。
あなたの体験談を教えて
小さじ一杯の土には1億くらいの微生物が存在しているといわれています。それらの微生物が作物の根の周りで活発に活動し、病原菌や害虫の侵入を防いだり、土の中の栄養分を集めたりして、作物の健康を守っているのです。
MOA自然農法は、化学農薬や化学肥料を使用せず、自然尊重・自然順応を基本に土本来の力を発揮させる生産方法として、1935年に岡田茂吉によって提唱されました。
私たちの健康に欠かせない食を支える農産物を生み出すだけでなく、自然環境を守り、人々の生活や文化を支える基盤でもあります。(一社)MOA自然農法文化事業団では営農の手引きとして「MOA自然農法ガイドライン」を定めており、それに基づく栽培技術は家庭菜園にも応用されています。自然のサイクルを生かしたMOA自然農法は、環境保全型農業としても注目され、農林水産省のコンクールで表彰された生産者や団体も少なくありません。
各地の自然農法実施農場では、子どもたちが収穫を楽しんだり、土に触れて遊んだりする機会も設けられています。保護者も「自然農法の土は安心して触れますし、ふかふかしていて気持ちいいですね」と笑顔で見守っています。
コロナ禍の中で食事と心身の健康との関係があらためてクローズアップされるようになりました。
ある調査*1では、食事の際に13.6%の人が栄養バランスを考えるようになった、14.3%の人が免疫力を意識するようになったと回答しています。多くの人が自身や家族の健康を強く願っているのです。
別の調査*2では、有機食品(オーガニック食品)を利用し始めたきっかけとして、22.6%の人が自分や家族が病気にならないためと答えています。さらなる健康を目指して、有機食品を食卓に取り入れてみませんか。
(一財)MOA健康科学センターによる、腸内細菌叢(そう)の変化を調査した研究があります*3。有機農産物をほとんど食べていない男女18人を3グループに分けて、グループごとに「緑肥のみの自然栽培」「緑肥と牛ふん堆肥と米ぬかを用いた有機栽培」「緑肥と牛ふん堆肥と化学肥料を用いた慣行栽培」で作ったニンジンをジュースにして1日1回14日間摂取。
各グループのふん便から腸内細菌のDNAを採取して調査した結果、慣行栽培のニンジンを摂取した人よりも有機栽培、自然栽培のものを摂取した人の方が腸内細菌叢の変化が大きかったことが分かりました。健康への影響や変化の意味合いを明確にするのは今後の研究の課題です。
*1 電通・食生活ラボ「新型コロナウイルス感染拡大における食生活の変化についての生活者調査」(2020年)
*2 農林水産省「有機食品等の消費状況に関する意向調査」(2019年)
*3 (一財)MOA健康科学センター加藤孝太郎研究員「自然・有機・慣行栽培ニンジンの摂取によるヒト腸内細菌叢の変化」(第10回岡田式健康法研究会発表)
── こんな方にお薦めです
・料理や食べることが好き
・食生活改善のヒントが欲しい
・伝統食や旬の大切さを新しく学びたい
岡田式食事法の講座は、土に種をまくところから始める豆苗栽培や塩こうじ作りなどのワークショップと、そこで得た気付きや実感をシェアする語り合いが中心です。合わせて、ハンドブック『元気になる食事法〜自然にならって健康づくり』で具体的な食事や運動、休養の取り方なども学んでいきます。
講座を修了するとMOA食育サポーターとして認定します。食事法を心と体で楽しみながら生活習慣を見つめ直し、家族や友達などと一緒に、健康について考えてみましょう。
講座で学んだ考え方やノウハウをさらに深め、広げていきたい方には、アドバイザーへのステップアップ講座もあります。
費用(税込)
受講料 5,500円(テキスト代含む)
実習材料費 実費
更新料 3,500円(3年ごと)
主なカリキュラム
第1講座
・実践ツール「はつらつ健康プラン」でライフスタイルの振り返り
・牛乳パックを使った豆苗栽培
・グループワーク
第2講座
・自身の「はつらつ健康プラン」作成
・塩こうじ作り
・グループワーク
講座に関するお問い合わせはこちら
栄養バランスに優れた日本型の食事は一汁三菜が基本。今では、健康食として海外でも人気です。「ヘルシー」「体にいい」「見た目もきれい」……。そう分かってはいても、毎日理想通りにというのは、なかなか難しいものです。
ここでは岡田式食事法の考え方に基づきつつ、時短の知恵も織り交ぜた、楽しく作って楽しく食べる「おうちご飯」のレシピをご紹介します。
主な食材や調味料は、MOA自然食品を使用。考案者であるおうちごはん研究家の金丸利恵先生は「一般品と同じ方法、分量で料理を作っても、MOAの調味料や食材だとワンランクもツーランクも美味しさがアップする」とコメントを寄せてくださっています。
安全・安心で、楽しく、美味しく、健康に! 免疫力アップの重要性が叫ばれる今、おうちご飯から健やかな暮らしを見つめ直してみませんか。
金丸 利恵(かなまる・りえ)
おうちごはん研究家。管理栄養士。分子栄養医学研究会認定カウンセラー。食生活アドバイザー2級(FLAネットワーク協会認定)。国際薬膳食育師3級(国際薬膳食育学会認定)。スパイスコーディネーターマスター(SCA認定)。飲食業界にてメニュー作成やレシピ開発、イベント企画などを経験。現在はメタボ予防の特定保健指導や栄養コラムの執筆、オンライン料理教室、食育講座、健康的に痩せるダイエットプログラム、およびカウンセリングを開催。「楽しく作って、楽しく食べる!」「おうちごはんが一番のごちそう」をモットーに、簡単、美味しい、体が喜ぶ家庭料理を提案している。
https://ouchi-gohan.net