自然農法大学校で令和7年度入学式

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静岡県伊豆の国市 2025.04.24
社会の求めに応える技術修得と人格向上を目指す

4月6日、大仁農場の古民家・宝山亭で(公財)農業・環境・健康研究所 自然農法大学校の令和7年度入学式が行われました。今年度は基礎技術科をはじめ、短期研修、社会人コースを含む合計13人が入学。すでに研修を開始している社会人コースを除き、基礎技術科と短期研修を履修する5人が式に臨みました。

 

 

田坂吉史校長が式辞。自然環境に恵まれた大仁農場で、岡田茂吉が創始したMOA自然農法を実践的に学び、農業技術の修得と共に人格の向上を目指す教育方針を紹介。農林水産省みどりの食料システム戦略を示し、2050年までに有機農業を国内の全耕地面積の25%に当たる100万ヘクタールに拡大するという目標を設定していることに触れ、新入生に対して、自然農法・有機農業を求める時代の要請に対応できるよう勉学に励み、それぞれの目標実現に向かってまい進することを期待しました。

 

 

岩元明久同研究所代表理事の祝辞と講師・教務スタッフ紹介の後、新入生を代表して白木琥太朗さんが誓いの言葉を発表。化学肥料や農薬に頼る農業、食品原料のほとんどを海外に頼る日本の現状に問題意識を持ち、自然農法を通じて農業の問題を少しでも解決していきたいと願い入学を決意したと述べ「大学校で諸先生のご指導を仰ぎ、専門的な知識や技術を身に付け、さまざまな農産物の栽培に挑戦していきたい」と力強く発表しました。

 

創立35周年記念祝賀会に同窓生60人出席

 

入学式に先立つ3月15日には、MOA大仁研修センターで同校の創立35周年記念祝賀会が開催されました。開校以来35期にわたる卒業生や、2023年から開講した社会人コース修了者を含む同窓生60人が出席しました。

 

田坂校長の開会挨拶に続いて、岩元代表理事、講師で前校長の陽捷行北里大学名誉教授、志賀政雄(一社)MOAインターナショナル相談役が来賓挨拶。3期卒業生の巾博一同窓会会長による音頭で乾杯し、同窓生は期を超えて交流を深めました。

 

 

同窓生一人一人が挨拶に立ち、自然農法実施者や自然農法普及員としての活動をはじめ、食品関連企業や異業種で働きながら同校で学んだ食の大切さに気付かされたことなど多彩な近況報告が行われました。中には、みどりの食料システム戦略が打ち出されてから、地域の農業関係者から土づくりを教えて欲しいなどと頼られるようになり「自然農法大学校を選んだ自分の見る目は正しかった」と、笑いを誘いながら自然農法を取り巻く状況が変わってきた実感を伝える報告もありました。

 

 

続いて、来賓の森田明雄農業・環境・健康研究所理事、講師の中井弘和静岡大学名誉教授、西東力静岡大学名誉教授が挨拶。卒業後も学びの姿勢を持って活躍している同窓生にエールを送りました。

 

夕方からは第2部として、宿泊希望の同窓生らが大仁農場大テントに集い、現在の同校のカリキュラムや地域との連携について紹介する田坂校長のセミナーを聴講。続いて、農園課、研究科、畜産科によるそれぞれ事業の進捗状況を学び、自然農法野菜を用いたバーベキューで懇親を深めました。

 

 

同校は1982年に大仁農場に開設されて以来、300人を超える卒業生を輩出。「自然からの学びがここにはある」をキャッチフレーズに、1年間かけて自然農法を学ぶ基礎技術科・営農技術科をはじめ、学ぶ人の状況に合わせて4カ月間の実践と専門講義が受けられる短期コース、月2回1年間にわたって実習する社会人コースが設けられています。

 

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