新潟で「これからの医療とまちづくりシンポジウム」

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新潟県新潟市
基調講演は「医療における食事とこころのケア」

10月29日、新潟日報メディアシップ日報ホールで「これからの医療とまちづくりシンポジウム in にいがた」が開催されました。行政や教育関係者、市民など約170人が参集。他にも県内3カ所のリモート会場とYouTubeによる動画配信を通して、合計550人を超える人が参加しました。

 

 

花角英世新潟県知事の挨拶(橋本憲次郎副知事が代読)に続き(医財)玉川会MOA高輪クリニック加藤眞三院長(慶應義塾大学名誉教授)が「医療における食事とこころのケア」と題して基調講演を行いました。

 

加藤院長はまず、高輪クリニックと協働する東京療院や、そこで行われている岡田式健康法食事法浄化療法美術文化法について紹介。病気を臓器ごとではなく、その人の人生全体の中で捉える視点へと転換した自身の体験を紹介しつつ、いつもと同じ見つめ方ではなく、視点を変えてみる大切さを訴えました。

 

強くそう実感したきっかけの一つに農業があったとし、多様な微生物が生息する土壌で育つ作物は抵抗力を持ち、病気にかかりにくく元気に育つこと、そうした作物は食べた人の健康にも直結することを紹介し、私たちの健康には腸内細菌の多様性、さまざまな視点が大切だと解説。豊かな土壌から人間の健康な体と心がつくられているとして、成長社会から成熟社会への転換が求められているこの時代、一人一人が視点を変えることで新しい医療とまちづくりも進んでいくのではないかと呼び掛け、講演を締めくくりました。

 

続いて行われたシンポジウムは、農事組合法人夢の谷ファームの石塚美津夫副代表、グリーンマーケットMOA三条店の芦田みつき店長、新潟市傾聴ボランティアこころの真田誠一代表、(一財)MOA健康科学センターの内田誠也主任研究員が登壇。新潟県の山﨑理病院局長がコーディネーターを務めました。

 

 

石塚副代表は、約30年有機農法に取り組んできた営みと、今年3月に有機農業の発展を願って設立された新潟オーガニック連絡協議会を紹介。有機農業農産物の、学校給食への提供を大きな願いとして発足した同協議会の運動を、生産者と消費者の垣根を超えたものにしていきたいと呼び掛けました。

 

芦田店長は、生産者と消費者をつなぐ役割を強く意識しながら双方とのコミュニケーションを大切にしているとし、消費者の喜びの声を生産者に届けることで、両者の間に感謝の循環が生まれた喜びを紹介。何げない会話をきっかけに、涙を流しながら苦しい胸の内を漏らした来店者が、会話を重ねMOA自然農法の野菜やMOA自然食品を食卓に取り入れる中で、徐々に心と体の健康を取り戻していった事例なども発表しました。

 

真田代表は、傾聴ボランティア団体として人々の健康な心づくりを願い、公共施設への花のいけ込み、MOA美術館新潟児童作品展の活動にも積極的に取り組んでいるとして、児童作品展がさらに地域社会全体で子どもたちを育てていく力となるよう、活力あるコミュニティーづくりを願いました。

 

内田主任研究員は「岡田式健康法のストレス緩和効果について」と題する研究内容を発表。各種研究結果のスライドなどを用いながら、浄化療法をはじめとする岡田式健康法がストレス緩和の一つの方法になり得ることを紹介しました。

 

参加者からは「私も食事が自分の心の安定につながると実感してきたので、加藤先生の講演はとても心に響きました。農業や環境、健康問題、食育、美術教育など、生活に大切なことは全部つながっていると感じられ、今日はとても勉強になりました」との声が聞かれました。

 

ロビーでは、県内の自然農法産野菜や児童作品展の優秀作品の展示も。MOA自然農法に加え、他の有機農業団体の生産者の野菜なども販売されました。

 

 

 

 

主催/(一財)MOA健康科学センター、(一社)MOAインターナショナル、MOA自然農法新潟県普及会連合会、後援/新潟県、新潟市、佐渡市、佐渡汽船(株)、新潟日報社、BSN新潟放送、NST新潟総合テレビ、TeNYテレビ新潟、UX新潟テレビ21、新潟市傾聴ボランティアこころ、協賛/新潟オーガニック連絡協議会、農事組合法人夢の谷ファーム

 

 

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