静岡県伊豆の国市
大仁研究農場の見学会には44人が参加
静岡県伊豆の国市の大仁研究農場およびMOA研修センターを会場に、8月5日、(公財)農業・環境・健康研究所が主催する「第8回シンポジウム〜有機農業の普及・推進を考える」が開催されました。
同シンポジウムは、静岡県における有機農業の発展のために、生産者の輩出・育成や環境整備に向けて、教育機関、行政、生産者、民間団体などの連携を促すことを目的に開催されたものです。
午前・午後の部の2部構成で行われた同シンポジウムには、県内の農業高校や大学の教員や生徒などの教育関係者をはじめ、行政、農業研究機関、JAなどから、午前の部には44人、午後の部には130人が参加しました。
今回、大仁研究農場を中心に同シンポジウムが開催された背景には、農業・環境・健康研究所が、同農場において40年間にわたり持続可能な農業(自然農法や有機農業)の研究および技術開発、普及に取り組んできた成果、さらに自然農法大学校における33年間の教育実績を、一人でも多くの人に広く伝えていきたいとの関係者の熱い思いが込められていました。
折しも「持続可能な開発目標」(SDGs)や「みどりの食料システム戦略」など、国の内外において有機農業が担うべき役割は大きくなりつつあります。静岡県においても、本年「静岡県有機農業推進計画」を改定し、有機農業の実施面積の拡大や有機食品利用者の増加を目標に、実現に向かって歩み始めています。そのため同シンポジウムでは、同県の有機農業の普及・拡大の推進役でもあるNPO法人しずおかオーガニックウェブの吉田茂代表理事が基調講演を行った他、静岡県立田方農業高校の久保田豊和校長と同校生徒らによる活動報告、4人の生産者による事例の発表も行われました。
大仁研究農場の見学が行われた午前の部では、はじめに自然農法大学校の田坂吉史校長が挨拶。同農場を基点として行われている技術開発・調査研究内容について説明。教育研修部門としての同大学校の概要を紹介しました。「本研究所の取り組みの現場をご覧いただき、静岡県における有機農業の今後の発展に向けた方向性を見出すことができればと願っている」と語りました。
その後4班に分かれて、農場内の「自然農法実証ほ場(茶畑)」「連作栽培試験ほ場」「自然農法大学校の実習ほ場」「自然食・自然農法産農産物の販売店舗(パル店)」を順々に見学。参加者は、関係者から、それぞれの区画についての説明を受け、自然農法の研究や技術開発、同大学校の教育内容などに理解を深めました。
昼食には、同農場で収穫された自然農法の米(くまみのり)や野菜などの食材を使った弁当が提供され、参加者からは、その味わいや滋味深さに大きな反響が寄せられました。
主催/(公財)農業・環境・健康研究所
後援/静岡県、伊豆の国市、三島市
協賛/NPO法人しずおかオーガニックウェブ、(一財)MOA自然農法文化事業団
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