幼稚園に自然農法の給食を

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青森県  A・Mさん(33歳、女性)

〔体験保育で知り合ったMさん〕

 平成16年、夫の転勤が決まり、A市からH市に移り住むことになりました。
 娘の翌年の幼稚園入園を控え、気に入る幼稚園はないかと探していた時のことです。体験保育でMさんと知り合いました。私は娘が抱えている喘息を治したいとの思いから自然食に興味を持っていましたが、体験保育で親子共々給食をいただいた時に、自然食の話題で意気投合、その時、MさんがMOA会員であることを知りました。
 7年前に父がうつ病にかかった時、叔母の勧めで岡田式健康法浄化療法を受けていたのでMOAのことは知っていましたが、私はその姿を横目に見るだけで興味はありませんでした。
 Mさんはどう見ても私より年下で、子どもが3人もいるのにオシャレだし、とても「いまどき」っぽくて本当に素敵。同じ子育て中という境遇でありながら、穏やかで癒してくれるようなMさんの人柄に惹かれました。

〔浄化療法を受けて娘の喘息が「楽になる」〕

 同じころ、娘が風邪を引いたのをきっかけに、喘息の発作を起こすようになりました。1週間、薬を飲み続けても症状に変化はなく、夜中に何度も起き上がって咳き込み、あまりの咳き込みに吐いてしまう状態が続きました。「ママ、苦しいよう」と、泣きながら私の顔を見る娘に、何もしてやれない苦しさを感じました。1週間後さらに薬が追加された時、思い切ってMさんのお宅にお邪魔したのです。
 2日続けて浄化療法を受けました。すると、39度近い熱を出して動けなくなっていた娘が、浄化療法を受けたあと、赤い顔をしながらも部屋中を走り回って遊び始めたのです。これには夫もびっくりしていました。浄化療法を受けた後、「楽になる」というまだ3歳にもならない娘の言葉に、これは本当だと確信しました。その3日後、私たち夫婦は浄化療法ができるようになりたいと願いMOA会員になりました。

〔「MOA的生活」にはまってしまっているわが家〕

 Mさんのお蔭で自然農法で作られたお野菜を、叔母のお陰で自然農法で作られたお米を手に入れることができるようになりました。自然農法のお野菜が手の届く範囲内になり、それからは大根のしっぽまで大事に食べるようになりました。Mさんから野菜を使ったレシピをたくさんいただき、たまには持ち寄ってパーティをするなど、食生活が楽しくなってきました。
 具合が悪かったり怪我をしたりすると「魔法して~(浄化療法のこと)」という娘、その言葉に素直に応じる夫。また、部屋にお花をいけることもMさんから教えてもらうなど、いつのまにかすっかり「MOA的生活」にはまってしまっているわが家がありました。

〔幼稚園に自然農法の給食を〕

 娘が入園した幼稚園は、小規模に加え、園内で給食を作っていることがとても気に入っていました。なんとか幼稚園でも自然食を食べさせられないかと、そのきっかけを作るために私はPTAの役員になりました。
 1学期にバーベキュー親子遠足を幼稚園に提案したところ、快く引き受けてもらえました。バーベキューの食材として自然農法の野菜を使用したところ、とても甘くて美味しいとの評価をいただきましたので、今後の給食に自然農法で作ったお野菜を使ってもらえないかとお願いしたところ、2学期から使ってくださることになりました。
 さらに、8月末の園外保育で、自然農法の野菜を生産している、N瑞泉郷に園児たちを連れて夏野菜の収穫をしに行くことになりました。
 園長先生ご夫妻にも同行してもらってN瑞泉郷に行きました。私たちがもぎたてのキュウリやトマトをかぶりつくところを見せると、園児たちは目を輝かせながらいっせいに真似をしてほおばり始めたのです。野菜嫌いで給食もほとんど口にしないような子も、調味料も何もかけずにモリモリ食べたのです。そして口々に「美味しい!」と。
 瑞泉郷を気に入った園長先生の希望で、秋の遠足に瑞泉郷でサツマイモ掘りをさせてもらい、幼稚園で焼きイモ大会を開いて食べました。夏の野菜の収穫体験、秋のサツマイモ堀りは、園の年間行事としてすっかり定着しています。
 幼稚園で園児たちは素晴らしい体験をすることができ、素晴らしい給食を毎日食べられるようになりました。こうした幼稚園の柔軟な教育体制にも心より感謝しています。

〔MOAをもっと知りたい〕

 私は、MOAのことをもっと知り、伝えていきたいと思うようになりました。それはMOAに出合ってから、より生きていることに幸せを感じるようになったからです。美しいものを見て、感じて、自然食を感謝しながら食べ、以前より家族がお互いをいたわり合えるようになったからです。
 自分だけでなく、周囲の人たちが「MOA的生活」を通して生きていることの幸せというものを感じて欲しいと思い、少しずつですが岡田式健康法を伝えています。
 今、低農薬や低化学肥料、添加物未使用の食品が注目されていますので、私たちを取り巻く食の環境がもっと自然農法に近いものとなるよう、もっともっといろいろな人に「MOA的生活」を知ってもらえたらと思っています。

〔Mさん(32歳、女性)の手記〕

 私は子どもに美味しいものを食べてもらいたいといつも思っています。そして出した食事を子どもたちが「美味しい!」と言って喜ぶ顔を見ると嬉しくなります。そして、子どもたちが美味しいと言ってくれるのが自然農法のお野菜です。
 Aさんにも日常のお付き合いの中で、普段子どもに作っている料理を食べてもらったりしていました。そうした中、だんだんと食に対する思いと行動が共通のものとなっていきました。
 Aさんと「子どもたちが通う幼稚園の給食に、安全でおいしい自然の野菜を、なんとか取り入れたいね」と話していました。そのためにAさんは幼稚園の父母会の役員に立候補してくれ、しかも会長にまでなってくれました。
 おかげで、幼稚園のバーベキュー大会で自然農法で生産した野菜を使う事ができ、その野菜の安全性とおいしさから、2学期の給食から自然農法の野菜を取り入れることが決まりました。何よりも園長先生夫妻が、「私たちもこの野菜を購入してもいいかしら?」と言っていただけたことが嬉しかったです。
 また、園長先生は瑞泉郷での園外保育を希望されて、それが8月末に実現しました。園児たちは大騒ぎで野菜を収穫し、しかも採れたての野菜をその場で食べていました。園児の中には野菜を食べることができない園児がいたのですが、その子が採れたてキュウリを生のまま食べており、保護者がとても驚き、「すごく嬉しい。早速おじいちゃん、おばあちゃんに嬉しい報告の電話をする」との喜びの声が届いたり、ほかの保護者からも「貴重な体験をさせてもらった。ありがとう」、「子どもが帰ってきてから、野菜の収穫の話を楽しそうにしていた」などの反響がありました。
 この事に園長先生も大変喜ばれ、「この行事を園の夏、秋の定例行事にさせてもらいたい」、「素晴らしい農園です。あんなにきれいにダリアの花が咲いているのを、僕は初めて見ました。感動しました」などと話してくださいました。
 私自身も子どもたちが大自然の中で楽しみながらはぐくまれていくという営みになってきたことを嬉しく思っています。

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