不登校への取り組み

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大阪府  I・Sさん(70歳、女性)

〔Oさんから相談を受ける〕

 平成17年6月、MOA健康生活ネットワークの仲間のOさんから相談を受けました。Oさんは、息子さん夫婦と、その子どもたちのことで悩んでいました。息子さんが失業し、夫婦が一時別居したことに端を発して、長女(17歳)と二女(15歳)が不登校、三女は喘息で学校を休みがちになったとのことでした。担任の先生に相談しても「気長に、本人が行く気になるまで待ちましょう」と言われるだけで、これといった手だてがないようでした。特に長女の不良化がエスカレートしているとのことでした。
 相談を受けて、私は息子さんのお嫁さんのKさんにお会いしました。Kさんは大変苦しんでおられ、お会いすると下を向いたまま、涙を流されるばかりでした。聞くと、長女の不良友だちが来て騒ぐので、マンション住民から「出て行ってくれ」と言われたこともあり、胃が痛み、食事ものどを通らない日が続いているとのことでした。

〔ネットワークの協力〕

 状況があまりにも可哀相で、さっそく私はKさんのお宅に伺いました。Kさん夫婦は共働きで、家を空けることが多く、家は散らかし放題でした。家には茶髪に染めた男の子が遊びに来たりして、はじめは“怖いなぁ”と思いましたが、娘さんたちとお話をしたり、持ってきた花を使ってサークルをしたり、浄化療法を体験してもらう中で、次第に打ち解けていきました。しかし、状況はなかなか良くなりませんでした。
 そのような時に、私たちのネットワークで「家庭」をテーマに話し合いをする機会がありました。そして、それぞれの家庭で今最も欠けている点、大切にしたい点を見つめました。その中でOさんは、「話し合い、理解し合える家庭づくり」を課題に挙げられ、初めてみなさんの前で息子さん夫婦に全く会話がないことや、3人のお孫さんの状況などの悩みを話されました。
 以来、ネットワークのみなさんと協力して訪問させていただくようになりました。そして、一緒に花を楽しんだり、浄化療法を施術するとともに、娘さんたちだけでなく、Kさんにも目を向けて、積極的に話をするようにしました。

〔健康増進セミナーへの案内〕

 平成18年7月、大阪健康増進センターで行なわれているセミナーにKさんを案内しました。
 セミナーでは、浄化療法、美のある暮らし方についての芸術セミナー、自然食セミナーなどの岡田式健康法の体験のほか、希望者には「心の相談室」が用意されていたので、Kさんは家庭の悩みを相談されました。
 相談員はKさんの悩みを、時間をかけて熱心に聞いてくださったそうで、子どもの問題は親にも原因があること、そして生活を振り返ってみて自分にできることから改めることなど、細やかにアドバイスを受けられたようでした。
 相談を終えたKさんは、「今まで、学校が悪い、夫が協力してくれない、言うことを聞かない娘たちが悪い、頑張っているのは私だけと思ってきたけど、自分が変わっていけば必ず良くなるんだって気づいたら、何だか気持ちが軽くなりました。これからもいろいろ教えてください」と言われました。

〔Kさんが見違えるほど明るくなる〕

 Kさんは帰宅後、セミナーで学んだことなど、アドバイスされたことや気づいたことをご主人と話し合うことができたそうです。そして、このことをきっかけに、お互いが思っていることを話し合えるようになったと喜んでおられました。
 その後も、ネットワークでKさん家族を見守ってきましたが、Kさんは地域で開催している健康増進セミナーなどにも積極的に参加されるようになりました。半年ほど経つと、続いていた胃痛も良くなってきました。
 セミナーでは、浄化療法とお茶とお花を通して、「随分元気をもらいました」と語られ、今まで泣いてばかりいたのが見違えるほど明るくなり、よく話をされるようになり、今後もみなさんと岡田式健康法を続けたいとMOAに入会されました。
 そして、何か家でできることをと話し合う中、セミナーで花によって癒された実感から、野に咲く草花を摘んで、欠かさず家にいけ続けられ、その花で日々Kさんが癒され、子どもたちも感心を持つようになりました。
 その後、Kさんは、「今月は家に一輪の花をいける」「今月は楽しい食卓づくり」など、自分なりにテーマを決めて頑張っていることを、みなさんが集まったところで、嬉しそうに話されました。

〔子どもたちの変化〕

 そのような中、娘さんたちも部屋が散らかっているのが気持ち悪いと言い出して、みんなで掃除するようになりました。お花をいけて、お茶をいただく中で、綺麗になるととても気持ちいいということを実感されたようです。
 最初に変わったのは二女のAさんでした。ひきこもりがちだったAさんが、お友だちと外出するようになったのです。ゲームをやめて、本を読むようになり、看護師になりたいという夢をもってアルバイトを探し始めました。三女のNさんは、喘息による入院や不登校が続いていましたが、ある日、急に、「お母さんは仕事や家事で大変だから、私が浄化療法で癒してあげたい」と、MOAの入会を希望され、Kさんに浄化療法を施術するようになりました。また、不思議なことに、Nさんは入会と同時に学校に行くようになり、今ではお弁当も自分で用意して一日も休まず登校するようになりました。
 そして、不良化がエスカレートしていた長女のMさんも、今では悪い友だちとも縁を切って働き始め、家計を助けてくれるようになりました。

〔ネットワークで力を合わせることの大切さ〕

 Kさんのような問題を抱えた家庭が癒されていくことが私たちの何よりの喜びです。
 今回の取り組みを通して、ネットワークで力を合わせて取り組むことの大切さを知りました。私一人の力ではとてもできないことばかりでした。でも、人の幸せを願う心が一つになり、MOA健康生活ネットワークで助け合えば、できないことはないと実感しています。ただ、私たちが相手を変えるのでなく、自ら良い方に向かおうとしている人をちょっと手伝うのが役目だと感じました。そして、浄化療法も自然農法も料理も花をいけることも、岡田式健康法全てがその手助けになることに気づかされました。
 ネットワークのみなさんと協力し合い、今後もこのような活動を継続してまいります。

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