すい臓ガンを疑われた私の体験

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大阪府  S・Aさん(41歳、男性)

〔人間ドックで腫瘍マーカーが高い数値を示す〕

 平成20年10月、私は人間ドックの結果、肺や胃、十二指腸に異常箇所が見つかり、中でも腫瘍マーカーCA19-9の数値が100U/ml(基準値37U/ml以下、RAI法)と高く、マーカーの値の推移を観察するには4週間程度が必要とのことで、25日後に再検査することになりました。
 早速その日から家庭で浄化療法を受けるようにしましたが、小さな子どもが2人いて、限界を感じた妻がMOA健康生活ネットワークの仲間で、浄化療法療法士のIさんに相談しました。Iさんは、残業で夜遅くなる私を快く受け入れてくださり、再検査の日まで、ほぼ毎日浄化療法を施術してもらうことができました。
 再検査では良くなっていると期待しましたが、腫瘍マーカーの数値は106U/mlに上がっており、医師から「ガンの精密検査をしましょう」と告げられました。すぐに膵胆管検査(MRCP)をすることになりました。
 インターネットで腫瘍マーカーについて調べると、CA19-9は消化器系ガン、中でもすい臓ガンに特異性のあるものだとわかりました。正常値の2倍以上で「すい臓をはじめ消化器系の臓器にガンがあるか精密検査を要する」とありました。私の数値は正常値の約3倍でした。特に、治療を開始してから5年後の生存率を示す「5年生存率」は胃ガン70%、食道ガン40%に比べ、すい臓ガンは10%と極めて低いことがわかりました。ショックが大きく、死をも覚悟しました。その夜、死後のこと、家族の生活を守るプランやお金の計算などを真剣に考えました。

〔健康生活ネットワークの支え〕

 検査の結果をIさん始め健康生活ネットワークのみなさんに相談すると、私のためにローテーションを組み、1ヶ月間の施術スケジュールが立てられました。また、重い病気を乗り越えられた方の体験レポートを読ませていただき、大変勇気づけられました。食事については肉類を一切やめ、自然農法で生産された野菜中心に切り替えました。
 休日にはMOA大阪健康増進センター(現:MOAかんさい健康センター)で浄化療法の施術を受け、施術の急所を教えていただき、ネットワークのみなさんにも周知してもらいました。
 検査当日、待合室でのこと。普段は緊張しないタイプですが、このときばかりは緊張と不安でいっぱいになりました。死への恐怖心と同時に、“悪い結果がでたら、家族や健康生活ネットワークのみなさんの頑張りを裏切ってしまう。ウツ病とはこんな気分かな”と思うほど精神的にまいってしまいました。
 検査の結果、医師からは「すい臓ガンではありませんでしたが、腫瘍マーカーの数値は108 U/mlと、さらに上がっています。ほかの消化器の精密検査をします」と告げられ、2週間後に胆嚢の精密検査をしました。その後、胃と十二指腸の内視鏡検査、また肺や大腸も検査しました。しかし、どこにもガンは見つからず、年明けの1月には腫瘍マーカーの数値も33U/mlと正常値に戻りました。この時、最初の人間ドックから3ヶ月ほど経っていました。医師から「もう検査しなくても大丈夫でしょう」と言われ、それまで私を支えてくれたネットワークの方々や家族に感謝の気持ちが湧き上がってきました。
 当初、人間ドックは1月に受ける予定でしたが、10月に休みをとって児童作品展のボランティア活動に参加した後、午後から受診することにしました。もし予定通りの1月の受診であれば、この3ヶ月間の違いで、今とは異なる状況となっていたかもしれません。
 健康生活ネットワークのみなさんは苦しみも共有できる仲間であり、その連帯感が安心感につながりました。浄化療法という身体的なサポートだけでなく、みなさんが私の苦しみもともに背負ってくださったことが、何よりの心の支えとなりました。

〔健康生活ネットワークの取り組み(療法士 I・Aさん)〕

 Sさんの奥さんから、ご主人への浄化療法の依頼があり、“何とかしてあげたい”と思い、わが家で受け入れることにしました。この3ヶ月の間、Sさんを傍で見ていて厳しいものを感じました。
 Sさんの仕事が終わってから浄化療法の施術を行うため、時間が限られていました。しかし、このころはタイミングよくSさんの残業がなくなりました。
 健康生活ネットワークのみなさんと相談し、Sさんが毎日施術を受けられるように数人でサポートする態勢を整えました。このボランティアに、初めて長時間にわたって施術した方、バスで通われた方、寒い中バイクで来られた方、お花を届けられた方など多くの方々が関わりました。Sさんご自身も、食生活の改善に努力され、ボランティア活動に参加されていました。その頑張っている姿に、誰もが「よい結果であってほしい」と思い、心が一つになったと思います。良い結果が出るたびに、みんなで喜び合いました。
 今、Sさんは「みなさんに恩返しがしたい」と、体調のすぐれない人に浄化療法を施術しておられます。これからもMOAかんさい健康センターとネットワークが連携し、人々の健康を願い、継続的なサポートに取り組んでいきたいと思います。

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