「絵手紙教室」で健康な人づくり、まちづくり

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和歌山県  S・Mさん(62歳、女性)

〔「絵手紙教室」で学び、友人や知人に絵手紙を発信する〕

 私は、平成9年の年末、同じ市内に住んでいるMさん(女性)から「絵手紙教室」へのお誘いを受けたのがきっかけで、Mさん宅で絵手紙を3年ほど習いました。当時、私はまだ現役で仕事をし、職場での悩みやストレスを抱え、体調がすぐれないこともありました。そのため、岡田式健康法浄化療法食事法美術文化法を欠かさずに行っていました。中でものお花やお抹茶を日々の生活の中にできるだけ取り入れ、また、好きな絵手紙を描くことで無心になれ、気分を一新して、つらいことがあっても乗り越えることができました。
 平成13年に退職してからも絵手紙を描き続けました。絵手紙で体験した感動を友人や知人にお伝えしたいと思い、10年ほどの間に、年賀状や季節の便りなど2,000枚に上る絵手紙を発信してきました。みなさんから感謝と喜びの声をいただき、自分の感性や資質を高めるためにも絵手紙の良さを感じました。絵手紙を通して多くの方々がわが家に引き寄せられてきました。“絵手紙を習い、発信して本当に良かったなあ”と思いました。

〔自宅で「絵手紙教室」を開講する〕

 平成17年の暮れ、私はウォーキングの途中で出会ったEさんとあいさつを交わし、畑に咲いているコスモスの花を分けていただきました。その後、お礼として私の絵手紙を差し上げたところ、Eさんから「これ、いいわ。私にも教えて」と言われ、翌年の平成18年1月から、わが家で「絵手紙教室」を開くようになりました。
 生徒さんは月1回習いに来られますが、次第に人数が増え、1回に5人ほどしか受け入れができないため、毎週火曜日に自宅を開放しています。その後、友人宅、地域の文化会館(市役所の出先機関)でも「絵手紙教室」を開いています。生徒さんは1年目に30人となり、現在も口コミで拡がっている状況です。
 私が毎月、お花を中心に果物や木の実などの季節感のある題材を選び、それに合う季節の移ろいや花を形容するような美しい言葉を添えて、和紙にお手本を描きます。絵には顔彩*1を用い、文字には青墨*2を使います。
 お手本を見ながら生徒さんが和紙に写し、最終的に発信するための葉書に描いて仕上げとなります。ただ、お手本はあくまでも参考であって、できるだけ各自の感性やイメージを大切にしてもらうようにしています。出来上がった作品をみんなで鑑賞して楽しみます。生徒さんのセンスや生活感が絵手紙の中に滲み出てきます。生徒さんから「来月はブドウにしてください」などのリクエストがくることもあります。私は絵については正式に習ったわけではありませんが、MOA光輪花クラブというお花の教室を続け、花や萼(がく)、葉の観察の仕方を学んできたことがとても役立っていると思っています。
 年2回ほど岡田茂吉先生の和歌を取り入れます。生徒さんから「この和歌は誰の作ですか?」と聞かれると、玄関に貼ってあるMOA美術館のポスターを見てもらい、「この美術館の創立者の岡田茂吉さんのものです」と答え、岡田式健康法を紹介しています。
 生徒さんから「ここに来るだけで癒される」「夫が額に入れて飾ってくれる」「看護師として働いている病院の中に展示して、みなさんに楽しんでいただいている」「思わず誰かに出したくなる」「両親や娘、息子の嫁に絵手紙を出して喜ばれている」「絵手紙やお花をしたあとは達成感があり、元気に前向きになれる」「絵手紙のあとの語り合いがとても楽しい」「おばあちゃん(私の母のこと)の元気な姿を見るだけで感動する。私もこのような老後を迎えたい」などのコメントをいただいています。
 
*1 チューブ絵具と同じ顔料に天然高級デンプン質などを練り混ぜた日本画の材料。
*2 藍蝋(あいろう)を墨の形に作ったもの。青みを加えた墨。

〔「絵手紙教室」の生徒さんに岡田式健康法を紹介する〕

 絵手紙の後で、お花をいけたり、母が用意してくれる自然農法のお抹茶とお菓子をいただいたりするなど、語り合いの時間を持つようにしています。92歳の母は元気でニコニコしながら協力してくれます。生徒さんからも慕われ、本当にありがたく思っています。
 みんなで自分自身のこと、家族のこと、社会の出来事など、自由に近況を話し合います。話題が健康問題になると、岡田式健康法をお伝えするようにしています。
 ある時、最初の生徒のEさんから「手首や腰が痛い」と言われました。「岡田式浄化療法という健康法があるけど、受けてみる?」と気軽に聞いてみると、Eさんは興味を示されて、素直に受けられました。30分ほどの施術でしたが、痛みが和らぐなどの変化がありました。そして「私が一番やりたいボランティアは、実はこの健康法なの」と伝えました。その後もEさんは継続して浄化療法を受け、元気になられ、お互いの信頼関係も深まっていきました。私から「自分でも施術できるのよ」と聞いて、平成18年4月、MOAに入会されました。Eさんは自分の畑で栽培した花を「絵手紙教室」の日に持ってきてくれます。
 Oさんは「絵手紙教室」の会場を提供してくださっている方ですが、「体調が良くない」と言われたので、私が「自然治癒力を高め、心身ともに健康になるための岡田式浄化療法という健康法があるので受けてみない?」と提案してみました。Oさんは浄化療法を受けてから「身体がとても軽くなりスッキリした」と言われ、3回目の時に自分の病歴を話されました。その後、Oさんは体調が良くなられて、浄化療法に対する理解を深める中で、「私も講習を受けたいわ」と言われ、MOA会員になられました。Oさんに毎日、浄化療法を施術してあげたいと思いながらも、家が遠いため通うことができません。すると、Oさん宅の「絵手紙教室」の3名の生徒さんが浄化療法に関心を持ち、その効果を実感する中で、MOAに入会されました。
 このように「絵手紙教室」がきっかけとなり、多くの方々に岡田式健康法を紹介しています。

〔Hさんに浄化療法を施術し、MOAかんさい健康センターへ案内する〕

 Hさんも生徒さんですが、「私は肩こりがひどくて困っている」と話されました。私は浄化療法の説明を行い、施術しました。Hさんは「肩が温かくなり、両手も熱くなって血行が良くなった。肩こりが解消した」と喜ばれ、継続して浄化療法を受ける中で、MOAに入会されました。Hさんはある病気を持っておられたので「MOAかんさい健康センターで診察を受けてみませんか」と勧めてみました。Hさんは喜ばれ、早速行くことになりました。
 当日、Hさん夫婦、私と母とお友だちの5人で健康センターへ行きました。HさんはT医師から懇切丁寧に診察していただき、夫婦で疾患についての詳しい説明を受け、専門の病院での入院治療を勧められたと言われました。いろいろと真剣に話を聞いてくださるT医師に信頼感を覚えたHさんは、アドバイスに従って入院して治療を受けることを決心されました。
 Hさんから「入院中もできれば毎日、浄化療法を受けたい」との希望があり、私たちはMOA健康生活ネットワークで時間の許す限り取り組みました。Hさんは予定より早く退院することができました。そして、統合医療の理解を深めるとともに、浄化療法の効果と療院の良さを実感されました。その後、和歌山健康増進センターでお花とお茶、浄化療法のボランティアを行っておられます。

〔健康な人づくり・まちづくりをめざして〕

 平成21年3月には、わが家で「絵手紙クラブ『花はな』展」を開催しました。私と54人の生徒さんの180点あまりの作品を展示し、野々村仁清作の藤壺のレプリカを飾り、MOA山月光輪花と茶の湯でお迎えしました。お抹茶は母が中心になって点ててくれました。1週間で160人の方々が来場され、「展示内容がスッキリしていて、各々の作品が素晴らしい」「手づくりの温かいおもてなしを感じた」「やさしい気分、豊かな心になれた」「『花はな』展のネーミングが良く、お花も素晴しかった」と好評でした。会場には笑顔があふれていました。その中から新たな生徒さんもでき、現在の教室へとつながっています。
 これからも、絵手紙から生まれる一つひとつの出合いを大切にしていきます。一人ひとりの方が何に悩み、苦しみ、何を求め、望まれているのか、それらをしっかりと受け止めた上で、浄化療法、自然農法・自然食、お花やお抹茶を紹介し、一緒になって健康な人づくり・まちづくりのために努力していきたいと願っています。

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