夫の胃潰瘍、十二指腸潰瘍が改善するまで

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石川県  N・Kさん(69歳、女性)

〔病気知らずだった夫〕

 長男と長女は結婚をして家を出、今は私たち夫婦と二男の3人で暮らしております。
 68歳の夫はこれまで病気知らずで、タクシー運転手の傍ら、少し離れた場所にある約300坪の畑と花苑の手入れ、堆肥づくりと、元気に過ごしてきました。私も、夫と一緒に畑の作業をする一方で、ほぼ毎日、金沢療院に通って療法士のボランティアをしてきました。
 平成22年の春、夫が疲れやすくなり、畑の作業を休む時間が増えてきました。「療院に行って検査してもらわないと駄目よ」と心配するのですが、昔から辛抱強い夫は「まだいいっちゃ。入りたい人を先に入れてやる」と言って、聞いてくれません。
 6月になると顔色も悪くなり、食欲もなくなってきましたので、いよいよ心配になって、22日に金沢療院を受診しました。院長は夫の様子を見るなり「すぐに総合病院で精密検査をしてください」と言われたので、私たちは近くの総合病院に行きました。この日は、尿と血液検査を受けて、3日後に食事を抜いて胃と腸を空にした状態で改めて精密検査を受けることになりました。
 25日、夫は早朝より一日がかりで胃、十二指腸、大腸、直腸の精密検査を受けました。待合室で待つ間、私は生きた心地がしませんでした。“もし、大変な病気だったらどうしよう”と不安でした。貯金や不意の出費の備えもないので、“どうかガンではありませんように。家で養生できる程度であってください”と祈りました。
 後日、聞きに行った検査結果では、「かなり深くて大きな胃潰瘍と十二指腸潰瘍、そして貧血がありますが、症状は安定しているので、入院ではなく服薬治療をしましょう」との診断でした。その言葉を聞いた時、安堵の気持ちと本当にみなさんに御礼をしたい気持ちでした。結果が出るまでの3日間、最初に診ていただいた金沢療院の先生やスタッフの方、地域のみなさんにとても心配していただき、中には祈ってくれたという方もいました。みなさんの心づかいと祈りが通じて、大難が小難になったと私は思っております。

〔服薬治療と岡田式健康法〕

 夫はこの病気を機にタクシー運転手を退職し、治療に専念することにしました。
 痛み止めの薬や胃潰瘍の薬、ピロリ菌の増加を抑える薬、鉄分を増やす薬などが処方されましたので、毎日服用しました。また、私たち夫婦は岡田式健康法で健康を回復していきたい思いもありましたので、後日、金沢療院のクリニックを受診しました。院長とお話をさせていただくことができました。お話を聞かせていただく中で、岡田式健康法で自然治癒力を高めていくことは大切ですが、まずは苦痛を緩和させることが大事と分かりました。私たちは、医療による治療を行いつつ、金沢療院で継続的に岡田式健康法を受けていくことにしました。
 そこで、「サポートプラン」を発行していただきました。医学的なアドバイスに加えて、家庭で岡田式健康法を取り組む上でのアドバイスが書かれているもので、後日、届いた「サポートプラン」を見ると、浄化療法では、両肩、左肩の付け根、左肩甲間部、胃の背部、腎臓部、腰部、仙骨部を重点的に施術すること、美術文化法では、「体調が悪い時は気持ちも暗くなりがちですから、気分転換に景色を見る、花をいけて眺める、美術書を見るなど、生活に取り入れやすいことを楽しみましょう」と書いてありました。
 食事法については、貧血を抑えるために緑茶や抹茶、コーヒーを控えてほうじ茶や3年番茶を飲むこと、海草やホウレンソウなどの緑黄色野菜、干しぶどうなどの乾果やゴマなどには鉄分が多く含まれているので積極的に食べること、鉄分はもともと吸収しにくい栄養素ですが、魚や肉、大豆製品といったタンパク質とビタミンC(柑橘類)を一緒に食べることで吸収が良くなるなど、詳しく書かれていました。“脱貧血メニュー”と書かれたレシピもいただきました。
 総合病院からは月に1度、薬を取りに来るだけで、通院治療は必要ないとのことでしたので、私たちは金沢療院に継続的に通って岡田式健康法を受ける一方、サポートプランをもとに、家でも岡田式健康法に取り組みました。

〔食生活の改善〕

 夫は最初、「今まで自然農法の食材を使った食事をしてきたのに、何で病気になったんや」と言っていました。無農薬や化学肥料を使っていない自然農法の食材を食べていても、自分が好きなものだけを偏って食べていてはいけなかったのでしょう。また、夫はタクシー運転手でしたから、体は使わなくても働く時間が長く、1日に朝、昼、夕、深夜の4度の食事をする上に、毎食、ご飯茶碗を2杯は食べる大食漢でした。好きな甘いものを後に毎度食べていました。
 私たちはまず、サポートプランに基づいて、夜遅くにご飯や間食をしない食生活のリズムをつくりました。
 食事では、食べることが少なかったワカメや昆布といった海藻類を増やしたことが印象深いです。海藻類はお味噌汁に入れ、ヒジキを畑で採れたゴボウやニンジンと一緒に薄口しょうゆで炊いて食べました。また野菜スープを欠かさず作りました。ゴボウ、ニンジン、干しシイタケ、ダイコン、ダイコンの葉っぱを入れたスープを大きい鍋で2~3日分作り、ペットボトルに小分けして、毎食飲みました。ダイコンの葉っぱは畑の野菜だけでは賄いきれないのですが、食事法のアドバイスをしてくださった金沢療院の方が「ウチも冷凍して保存しているのでご主人にあげてください」と陰ながら支えてくださったこともあり、作り続けることができました。

〔活かされている療法士ボランティアの経験〕

 浄化療法は、午前、午後と分けながら毎日3時間以上施術をしました。
 これまでもお互いに浄化療法を交替で施術していたのですが、病気をしてからはサポートプランに書かれている箇所を重点的に施術しました。今まで、施術をしても変化がなかった夫ですが、この頃は「あ、ここは楽になったぞ」と言うことが多くなりました。1時間ほど浄化療法を施術していると、痛む場所が出てきては施術をして、楽になると次の痛む場所を施術するという繰り返しでした。サポートプランでは、左の肩辺りに重点箇所が3箇所あったので、私は“左肩が急所かもしれない”と思い、そこを施術すると一気に全身が楽になったと言ってくれたこともありました。
 サポートプランでアドバイスされた施術箇所を探査して、熱やコリ、圧痛がある場所を見つけて施術をする、胃や十二指腸の痛みは、周りにある毒素や固結の影響も受けていると考えながら探査をして施術するなど、オドオドせずにしっかりした気持ちできたのは、サポートプランのお蔭もありますが、毎日、金沢療院で療法士のボランティアをして、いろいろと経験や勉強をさせていただいていることが大きいと思っています。

〔夫の改善、私の改善〕

 1ヶ月ほどすると夫は日ごとに元気になり、畑の農作業も少しずつ出来るようになってきました。そして、日に日に動ける時間が長くなっていくのが分かりました。
 8月24日、総合病院で再度、検査をしたところ、担当医より「胃潰瘍、十二指腸潰瘍とも治っています。2種類の薬も飲まなくて良いです。貧血の数値を見るため、1ヶ月後に血液検査をします」と診断されました。夫も私も本当に治ったのだと喜び合いました。
 1ヶ月後の検査や、金沢療院で受けた人間ドックの結果でも貧血はまだ経過観察をする必要があるとのことでしたが、この頃から、夫は病気が治った感謝の気持ちから、ボランティアをよくするようになりました。以前から、清掃ボランティアなどをしていましたが、今では私と一緒に地域の健康生活ネットワークの方に浄化療法をしたり、同じように苦しんでいる病気の方のお見舞いに行って施術をしてくれるようになりました。
 夫の病気を通して、改めて岡田式健康法の凄さを感じました。特に、私も夫と同じ食事をすることで、硬便で便秘気味だった便通が良くなったり、平たく荒れていた爪がこの年になって盛り上がって丸みを帯びてきました。服薬治療に加えて岡田式健康法に取り組んだことで、自然治癒力が高まり、また栄養バランスも良くなり、夫婦ともども健康になったのだと実感しています。

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