有機農業フォーラムin阿南を開催

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長野県阿南町 2025.11.28
阿南農場40周年を記念し講演とシンポジウム

10月25日、長野県阿南町の阿南文化会館で「有機農業フォーラム in 阿南」が開催。MOA自然農法の研究農場である阿南農場の開設40周年を記念した催しに、町民をはじめ行政関係者、議員など約200人が参加しました。

 

ユネスコ無形文化遺産に登録されている地元の伝統芸能「和合の念仏踊り」が披露された後、宮島久男農場長の挨拶で開会。同農場40年の歩みを映像で振り返りました。来賓として元農林水産大臣の宮下一郎衆院議員をはじめ、小池清県会議員、勝野一成阿南町長が同農場の取り組みをたたえ、今後の発展を祈念しました。

 

 

「農業が地方創生に果たす役割」と題して、勝野美江農林水産省大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課政策情報分析官が講演。自身が副知事を務めた徳島県でのオーガニックビレッジの活動をはじめ、全国の先進的な取り組みを紹介し「有機農業は単なる栽培技術ではなく、人と自然、命と命をつなぐ文化」だと述べました。

 

続いて、佐々木達也(一社)信州あなんトータルマーケティング理事長が「遊休農地有効利用による地域活性化への取り組み」と題し、農業を通じた阿経済振興を目指す活動を紹介しました。

 

 

 

■阿南農場を生かしたまちづくりへ

 

「有機農業とこれからのまちづくり」をテーマにパネルディスカッションが行われ、勝野町長、勝野分析官、佐々木理事長の他、上久保和芳長野県農業技術課企画幹兼環境農業係長、金秀成富草へき地診療所・和合へき地診療所所長、和合地区の有機農業実施者・小掠啓司氏、阿南農場の板坂康行MOA自然農法普及員が登壇。吉田茂NPO法人しずおかオーガニックウェブ代表が司会を務め、地域の人づくり、まちづくりに向かう今後の阿南農場について意見を求めました。

 

 

上久保係長は県内の有機農業による教育活動を紹介し、阿南農場の存在は地域の強みになると述べました。金院長は食と健康の関わりの大切さを伝え、学校給食への有機食材提供や農業体験授業の必要性を説きました。

 

小掠氏は、実際に出来る姿を見せることが大事だと述べ、阿南農場での実証展示と新規就農者のサポートに期待しました。佐々木理事長は米ぬかを例に挙げて、活用方法について農場の協力を得ることで地域資源の循環に役立つと語りました。

 

勝野町長は人口減少、農業者減少という課題を確認した上で、地域の農業者や阿南農場の活動に期待を寄せました。板坂普及員は阿南農場での農業体験の場づくりや、将来の学校給食への食材提供など今後の展望を語りました。

 

勝野分析官は、パネリストの顔ぶれから役者はそろっていると語り、オーガニックヴィレッジを目指すことで地域の発展につながると期待。吉田代表はみどりの食料システム戦略で願われる有機農業の拡大はまちづくりと共に考えるものとして、阿南農場は地域の農業と食、健康、教育を結ぶことができると期待し、会場は大きな拍手に包まれました。

 

会場では自然農法野菜などの即売会が行われた他、フォーラム終了後には隣接する阿南少年自然の家ホールで懇親会を開催し、自然農法の食材を用いたオードブル・薬膳料理が振る舞われました。フォーラムの開催前には勝野分析官、吉田代表が阿南農場を見学し、長年にわたる自然農法の研究と実証の成果を確認しました。

 

 

主催/阿南農場開設40周年記念式典実行委員会、後援/長野県、阿南町、阿南町教育委員会、協賛/(一社)MOA自然農法文化事業団、(株)MOA商事

 

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