東京都千代田区
MOA自然農法文化事業団が栽培事例など発表
1月15日、農林水産省庁内で「令和5年度オーガニックビレッジ全国集会」が開催され、全国にネット配信されました。オーガニックビレッジを宣言して有機農業を積極的に推進している自治体、生産地と連携する事業者・団体などによる12件の発表が行われる中、体系化された技術を全国各地で指導する団体の一つとして、(一社)MOA自然農法文化事業団の阿部卓専務理事が、同事業団の概要と自然農法の栽培事例について発表しました。
農水省は2021年に「みどりの食料システム戦略」を策定し、2050年までに有機農業の取り組み面積を全耕地面積の25%に当たる100万ヘクタールまで拡大する目標を掲げています。同集会は、その実現に向けて先進的な取り組み事例を紹介し、新たなオーガニックビレッジの創出を目指すもので、22年12月に続き2回目の開催となります。
開会にあたり坂本哲志農林水産大臣が挨拶。農政の基本理念や政策の方向性を示す「食料・農業・環境基本法」を時代に合わせて改正する上で、環境に優しい農業は柱になると述べ、同集会によって有機農業が拡大することを期待しました。
MOA自然農法文化事業団の阿部専務理事は、全国約1300の生産者と224普及会が活動していることを紹介し、栽培技術の指針「MOA自然農法ガイドライン」を基本に、土の偉力が引き出されるように、自然環境に合わせて、土の物理性、生物性、化学性を整える土づくりや病害虫への対応について解説。オーガニックビレッジを宣言している鹿児島県南さつま市が取り組む自然農法体験学校ありのまま分校での現地普及会と同事業団による研修農場管理や生産者育成をはじめ、埼玉県、北海道の土壌特性を生かした適地適作の栽培、新潟県大潟村での虫害対策について紹介しました。
聴講した自治体関係者からは「ガイドラインを基本として、その土地に合った種苗や耕起法を指導していることが素晴らしいと思いました。適地適作の事例も紹介されて、無肥料無農薬でやっていく上で、土地や風土に合う栽培を考えることの大切さが勉強になりました」との声が聞かれました。
この他、遊休農地対策として農業法人を受け入れて環境保全型農業を推進し学校給食への野菜提供と食育を行う長野県松川町、コウノトリが生息できる環境を目指して有機農業の米づくりを進める兵庫県豊岡市など6自治体の首長や担当者が発表。自治体と連携した農産物生産と加工事業を展開しながら地域の就農者の独立を支援する楽天農業(株)など流通事業や技術指導を行う6団体の代表が発表しました。各発表内容は農林水産省のウェブサイト・オーガニックビレッジのページで見ることができます。
主催/農林水産省、共催/(一社)日本有機農産物協会