MOA健康科学センター研究員が発表─日本統合医療学会

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群馬県前橋市
セルフケア促すチャレンジシートの妥当性を研究

2022年12月17、18の両日「第26回日本統合医療学会学術大会(大会長/岡美智代群馬大学大学院保健学研究科教授)」がオンラインで開催。一般演題の研究発表は同大会特設サイトで行われ、内田誠也(一財)MOA健康科学センター主任研究員の研究がポスター表示されました。

 

 

内田主任研究員は「食事・運動・休養習慣質問紙(チャレンジシート)の評価値の妥当性の検討」と題して発表。(一社)MOAインターナショナルが開発し、生活習慣の自己評価とセルフケアによる改善を促すためのツールとして活用されているチャレンジシートの臨床的な妥当性を検討すべく、統合医療認定施設である東京療院で、研究に同意した20歳以上90歳以下の男女277人を対象に調査。チャレンジシートと自覚ストレス調査票、疾患や薬に関する質問の得点を基に、回答者を健康群、生活習慣病群、膝腰疾患群、精神疾患群、高ストレス群に分類。それぞれの得点を分析したところ、疾患群の各習慣の評価値が、健康群の値と比較して有意に低かったことから、チャレンジシートは臨床的な妥当性があることが推測されると報告しました(詳細はMOA健康科学センター研究報告集第26巻を参照)。

 

 

今回の大会は、病気になる前に予防的に自分が行うセルフケアとしての統合医療の活用を見据えて「セルフケアと統合医療─With/Afterコロナの時代に考える」をテーマに、これからの在宅医療と病院医療、災害と統合医療、自然治癒力を高める看護の力をはじめ、ヨーガ療法、温泉習慣、マインドフルネスに関する講演やシンポジウムが行われました。一部のプログラムは参加者を対象にオンデマンド配信されました。

 

同学会の大会長講演「セルフケアと統合医療─セルフケアの意味から考える」では、岡教授が、自身が携わる糖尿病透析予防プログラムでのセルフケア支援について解説。自分の来し方を語る患者の話を基に看護師が作成した自分史を読むことで、患者自身が自らを客観視でき、自己肯定感を高め、医療者や周囲の人との信頼関係も築くことができた例を紹介。容易に病院受診ができないコロナ禍ではセルフケアの重要性が高まっているとして、患者がその人らしい生活を送れるようにセルフケアを促すことの大切さを伝えました。

 

作家の柳田邦男氏による招聘講演「セルフケアとしての『自己表現の営み』」も行われ、病苦の中でも俳句や和歌、闘病記で自己表現を行った人の死生観を紹介しながら、自己表現が自分を見つめ直し、肯定するセルフケアになっていると解説しました。

 

主催/第26回日本統合医療学会学術大会組織委員会

 

 

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