シンポジウム「生きがいある未来とは」開催

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静岡県熱海市
悩み乗り越え幸せに向かう生き方を語り合う

11月23日、MOA美術館能楽堂でシンポジウム「生きがいある未来とは~自分にも他人にも優しい生き方見つけ」が開催され、会場に約500人の青年や学生とその保護者らが詰めかけました。全国74カ所で行われたライブ配信会場には、2,000人を超える人が集まりました。

 

シンポジウムの詳細はアーカイブ動画で視聴できます(動画はこちら)

 

 

このシンポジウムは、コロナ禍や戦争、自然災害などによる混沌とした時代にあって、若者たちが自分と向き合い「やりたいこと、やるべきこと」を見いだし、生きがいのある未来を実現することを願って開催。臨済宗建長寺派林香寺の住職でもある、精神科医の川野泰周医師が進行を担い、保健師の鈴木慶子さん、大学院生の仲嶋真優さんの2人が発表しました。

 

鈴木さんは小学生時代の挫折や悩みをはじめ、看護師を目指した大学生活も思うようにいかず不満やいら立ちを感じていたことや看護の現場でのストレスを、仲嶋さんは高校時代に周りのことよりも自分の都合を第一に考えて行動してしまうことを「良くない」と思いつつも改められず、自己嫌悪に陥っていた過去の歩みを赤裸々に語りました。

 

 

それぞれに悩みや葛藤を乗り越えたきっかけとして、同世代の仲間が集うコミュニティーとの出合いや、良かった出来事を書き留めて友人と共有する「感謝ノート」の存在について紹介。現在、鈴木さんは保健師として再就職し、憧れていた予防医学に携わる喜びとやりがいを感じていることを語りました。仲嶋さんは他人の良いところを見つめられるようになり、アルバイト先でも感謝をベースに周りの人と接して相手の言動が変わった実感などを披歴しました。

 

川野医師は、発表者2人が悩みや苦しみの状態から前向きに変わっていく様子を心理学用語や仏教の教えを基に解説。サブタイトル「自分にも他人にも優しい生き方」の通りに、自分自身と向き合い認めつつ日常の感謝を大切にしていくことで、周りの人にも利他の心で寄り添えるようになり、他人の喜びが自分の喜びにまで高まる生きがいにつながっていると語りました。最後に、会場の参加者やライブ配信視聴者に呼び掛けて全員でマインドフルネスの「感謝の瞑想(めいそう)」を実践し、過去にお世話になった人、現在お世話になっている人、そして自分自身への感謝の気持ちを高め合いました。

 

 

能楽堂で聴講した参加者からは「悩みや苦しみを乗り越えて、他人にも感謝や優しさを向けられるようになった発表に私もそうありたいと思いました。自分を認める営みとして、頑張った自分をほめる『51%の法則』や、川野医師が教えてくださった自分を慈しむセルフコンパッションなどの考え方が勉強になりました」「『感謝ノート』がとても興味深かったです。心に思うだけでなく書き記すという具体的な行動に移すことで、考え方が変わっていくんですね。親しい人と共有することで続ける力にもなり、自分だけでは気付けなかった感謝ポイントも発見できると聞いたので、友達に声を掛けて一緒にやってみたいです」といった声が聞かれました。

 

 

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