西日本有機農法・自然農法研究大会に農業関係者ら190人

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広島県広島市
地域と連携した自然農法モデル事例を学ぶ

1月26日、広島国際会議場で「第1回西日本有機農法・自然農法研究大会」が開催され、中国地方をはじめ四国、九州から生産者、農政関係者ら190人が参加しました。昨年7月に「みどりの食料システム法」が施行され、地域ぐるみで有機農業に取り組むオーガニックビレッジの創出が願われる中、自然農法の拡大、自然農法・有機農業に取り組むコミュニティーづくりを願いに、(一社)MOA自然農法文化事業団中国支所、九州支所、四国支所が主催して開催されました。

 

はじめに「未来につながる有機農業・自然農法」と題して農学博士の木嶋利男伝統農法文化研究所代表が基調講演。慣行農業は自然環境への負荷が高いと指摘し、人々の健康と環境に優しい食料生産の在り方として、土づくりを中心にした自然農法の栽培技術を解説。地球は多くの生命の共存によって成り立っていると述べ、有機農業・自然農法は人類が永続していく上で必要不可欠な共存・共栄の仕組みだと語りました。

 

 

続いて中国、四国、九州各地の生産者4人が、地域における自然農法・有機農業の取り組み事例を発表しました。鹿児島県南さつま市の福元雅岳さんは、同市がMOA自然農法文化事業団と提携して開校している自然農法体験学校ありのまま分校で学んで就農した経緯を紹介。同市と連携して学校給食への有機農業野菜の納入や新規就農者支援を目的にした生産者グループである自然農法・オーガニック野菜推進委員会を設立。同市の給食センターに野菜を納入する他、地元高校の農地を整備して就農を目指す研修生を受け入れ、農医連携推進の一環として看護師を目指す高校生の農業体験をサポートするなど、オーガニックヴィレッジ宣言を行った同市と連携した活動を紹介しました。

 

鳥取市の平木ひとみ鳥取ずいせん生産組合代表は、家族の健康を守りたいと34年前に自然農法に取り組み始め、地域の人の健康にも思いを向けて生産組合を立ち上げた経緯を述懐。販売業者や行政担当者との連携によって、有機野菜が大手スーパーで販売されるようになり、学校給食にも納入された取り組みを紹介しました。県のみどり戦略会議に生産者代表として参加していることも伝え、自然農法・有機農業の県内全域への拡大に決意を語りました。

 

 

広島県東広島市の森昭暢安芸の山里農園はなあふ代表は、生態系を保全しながら人の健康を支える食と暮らしへの貢献を願って自然農法を学び、12年前に就農した経緯を紹介。MOA自然農法福富普及会や広島県有機農業研究会などと連携した生産や流通の取り組み、福祉作業所と連携した農福連携の取り組みなど、志を同じくする地域の人たちと協働している活動を紹介しました。

 

高知県香南市の自然農法生産者、吉井浩一さんは、化学物質過敏症になった母に健康な野菜を食べてほしいと自然農法を始めたことを述懐。農業や家庭菜園を始めたいと考える人を対象にした農業体験イベントなどの活動を紹介した他、無肥料栽培に12年間取り組む中で感じた課題を発表しました。

 

参加者からは「木嶋代表の講演はコンパニオンプランツなど、野菜づくりの技術の話などが実践的で大変勉強になりました」(生産者)、「分かりやすい事例報告で、人と人の絆が大切だと強く実感しました。志を同じくする人といかに結集するかが私の課題でもあります」(消費者)、「今回の学びをどう地元に広げていけるか、生産者と語らい、連携して取り組みたい」(市会議員)などの声が聞かれました。

 

 

 

主催/(一社)MOA自然農法文化事業団中国・九州・四国支所、共催/(株)MOA商事中国・九州・四国販売、後援/中国四国農政局、中国新聞社、広島テレビ、広島ホームテレビ、NPO法人島根有機農業協会、NPO法人ゆうきびと、協力/中国・四国・九州地域のMOA自然農法普及会

 

 

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