掛川市でMOA美術館所蔵「東海道五十三次」展

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静岡県掛川市
健康なまちづくり進める市の願いに応え

 「MOA美術館コレクション 歌川広重 保永堂版 東海道五十三次展」が10月16日から11月14日まで、静岡県の掛川市二の丸美術館で開催され、MOA美術館所蔵の浮世絵版画「東海道五十三次」から刊行当初の版である保永堂版32点、後に刊行された隷書版22点の計54点を展観。多数の来館者が浮世絵版画の優品を堪能しました。

 

 展示されたのは、出発地の江戸「日本橋」と到着地の京都「京師」の他「箱根」「庄野」など有名な作品。さらに現在の静岡県に位置する宿場を描いた22点は、保永堂版と隷書版の両方を並べて紹介され、版画の摺りの工程や、顔料や道具、江戸時代の旅人が実際に持ち歩いた弁当箱や財布なども展示されました。

 

 

 細かい人物描写を見ようと顔を間近に近づける人や、ご当地を描いた「掛川 秋葉山遠望」で足を止めて語らう人の姿も。「東海道五十三次は有名だけど、掛川宿の絵を見たことは無かったので感激しました。旅の道具も飾られて、自分が東海道を巡っているような臨場感がありました」「コロナ禍で遠出ができない中で、美術品の方から近くに来てくれてうれしいです。ぜひMOA美術館にも行ってみたいです」などの声が聞かれました。

 

 

 期間中の10月24日には、掛川市中央図書館で「東海道五十三次セミナー」(主催/(一社)MOAインターナショナル静岡西部エリア、後援/掛川市、掛川市教育委員会)が行われ、市民約20人が参加しました。矢代勝也MOA美術館学芸部部長が講演し、東海道五十三次が何版も摺られヒット作となった背景に、旅行への庶民の憧れがあったと江戸時代の資料を引用しつつ解説。代表的な作品をスライドで紹介し、自然や人物の巧みな描き方や、当時の世相風俗が伺われる描写など細かな見所を紹介しました。

 

 

 同展は、市の文化芸術のまちづくり行事「かけがわ茶エンナーレ」の一環として開催されました。MOA美術館では、前回の茶エンナーレ(2017年)にも二の丸美術館での所蔵美術品と「黄金の茶室」の特別展示を行っており、今回も健康なまちづくりを推進する市の願いに応えて実施されました。

 

主催/(公財)掛川市文化財団、掛川市、特別協力/MOA美術館、後援/掛川市教育委員会、静岡新聞社・静岡放送、中日新聞東海本社

 

 

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