離婚の危機を乗り越え、家族の絆が強まる

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ブラジル  M・Fさん(37歳、女性)

〔真実と向き合っても乗り越えられる力を〕

 2010年3月のはじめ、姑の紹介で私は初めてMOAのボランティアセンター*1に行き、岡田式健康法を体験しました。
 当時、私は大きな苦しみを抱えていました。それは、夫がある女性と深い関係になっていたのです。しかし、夫にそのことを問い詰めても否定しました。私はどのような決断をするべきかを迷っていました。
 ボランティアセンターに行った時、センターの中心的な方であるHさんとお会いました。私は自分の悩みを打ち明けると、Hさんはご主人との間にあった体験を話され、「岡田式健康法を取り入れることで、だんだんと物事の真実がハッキリしてくると思います。お互いにそうした覚悟で臨みましょう」と言ってくださりました。そこから、すべてが始まりました。
 初めて受ける健康法だったので、私はHさんから説明を受けました。その中で、浄化療法は、「人間に本来的に具わる自然治癒力を高め、心身の浄化作用を日常的に促進することによって、あらゆる苦悩を解消する心身の健康法」との内容を聞いた時、“浄化療法を受けることで、真実と向き合い、いかなる決断に至っても、それを乗り越えられる力になるのでは”と感じました。そして、自分も施術できるようになりたいという思いが湧き、3月末にMOAに入会しました。
 
*1 ブラジルでは、公的私的な団体及び個人が地域社会に対して行っているボランティア活動の拠点を「ボランティアセンター」と呼称している。

〔感謝の実践〕

 苦悩する日々の中、私は毎日のように浄化療法を受けるためにボランティアセンターに通いました。浄化療法のほかに、美術文化法を体験して、家に花をいけることの大切さも教えていただいたので、早速、玄関やリビング、寝室、息子や娘たちの部屋に花を飾るようにしました。
 Hさんからは、心の持ちようについてのアドバイスも受けました。
 例えば、いかに厳しい出来事でも、不平を言ったり誰かを憎んだりするのではなく、意識して感謝の気持ちを持つという内容のアドバイスでした。夫とのことについても感謝の気持ちを持てるように努めることで、私の今までの夫に対するあり方の誤りに気づくことができるのではないかと言ってくださいました。
 同じころ、このまま夫との生活を続けるかどうかという厳しい決断しなければならなくなり、4月には夫が家を出ていってしまいました。
 このような状況の中でも、Hさんは優しく励ましてくださり、夫への感謝を忘れないようにと繰り返し言われました。Hさんは、長年、ご主人との間で悩み苦しんだ問題をMOAの哲学と実践で乗り越えたからこそ、自信と希望をもって私に感謝を行動で表すことをアドバイスしているのだと感じました。
 心の中で“夫や家族のことをあきらめないで、すべてに感謝し続けるように”と言い聞かせていましたが、正直に言って、そう簡単ではありませんでした。夫がいなくてとてもつらく、寂しい日々が続き、夫が恋しくて、末娘と2人でお風呂の中で泣いたこともありました。
 このようにくじけそうな時は、自分自身を勇気づけるためにも、ボランティアセンターに通い続けました。そしてHさんから言われた感謝し続ける思いを忘れず、またお祈りすることで、少しずつですが穏やかさを取り戻すことができるようになりました。

〔家を出ていった夫の状態〕

 夫が家を出ていった間、私は仕事を続けながら、ボランティアセンターで浄化療法を受け続け、家に花をいけることも続け、家の中をいつもきれいに保つよう努めていましたが、心の中は、夫のことが心配で、悲しみでいっぱいでした。
 そんな5月の始めごろから、夫が家に顔を出すようになりました。しかし、その姿はやせ細り、睡眠薬の飲みすぎで疲れ果てていました。会社は病気による停職扱いになっていて、小遣い稼ぎにモトボーイ(オートバイでオフィスボーイの仕事をする人)のアルバイトをしているとのことでした。
 またある日は、私がすでに床についていたため、夫はすぐに帰って行ったのですが、後で自分の荷物を持って帰って来ていたことが分かりました。
 そこで、5月末、舅と息子の2人が夫の所へ行ったのですが、その時の夫は、何日か前にバイク事故を起こしたようで、体は傷だらけで、睡眠薬に加えて鎮痛剤を飲んでいたせいか意識が朦朧とした状態でしたので、すぐに家に連れ帰ってもらいました。
 この時の夫は、睡眠薬や鎮痛剤などをたくさん飲んでいたそうで、薬に依存しているような状態でした。その影響でシャワーを浴びるにも私たちの手を借りなければならないほど衰弱した状態でした。

〔夫への浄化療法の施術〕

 その日から、私たちは夫をボランティアセンターに連れて行くようにしました。センターに着くなり、早速Hさんと私で、夫に浄化療法を施術しました。
 その後は一進一退の繰り返しでした。センターには週3回行きましたが、夫は浄化療法を受けている時はおとなしく、気分も良さそうに見えます。しかし、家に帰るとその時の元気は無くなり、うつ的な状態になり、自分を責めては薬を飲み、うずくまって泣くこともありました。夜も眠れない生活が2~3日続くこともありましたが、私たちはくじけずに夫に接し続けました。
 Hさんも根気強く取り組んでくださったお蔭で、徐々に変化が現れ始め、2ヶ月経たないうち、夫はすべての薬を飲まなくてもよくなり、停職扱いされていた会社の仕事に復帰できるまでに快復しました。
 このような改善していく結果に、夫は8月、MOAに入会し、今でも定期的にセンターに通って浄化療法を受けています。
 夫は、浄化療法を受けることで、夜はぐっすりと眠れるようになり、仕事も楽しいと言っています。また、コミュニケーションの大切さを感じたのか、私たち夫婦の会話も増え、今まで話をすることがなかった私の両親との関係までも良くなってきています。
 夫は「些細な出来事にも感謝できるようになった」と言うようになり、夫婦で感謝し合える生活が送れるようになりました。夫自身、ボランティアセンターにはとても感謝しており、「センターに行くと安らぎを感じる」とも言っています。

〔ボランティアセンターが、岡田式健康法が人生を変えてくれた〕

 このMOAのボランティアセンターが、浄化療法を中心にした岡田式健康法が、私たちの人生を変えてくれました。このような体験をさせていただき、私は言葉で言い表せない素晴らしいものを感じています。
 私はこのセンターでいろいろなことを学びました。それは、本当に愛するということ、浄化療法は「人間のスピリチュアリティを高める健康法である」こと、その健康法をほかの人に実践できることに喜びと生きがいがあること、天国的に生きるとは「美に囲まれて生きる」ことなどなどです。
 また、Hさんからは、今回のような厳しい出来事は「浄化」であり、浄化というのは「より良くなるためのもの」という岡田茂吉先生の考えを教えていただきました。それぞれの未熟な部分を改善し、向上が図られ、より美しい人生、美しい家庭を得るためのものだということを学びました。
 浄化を乗り越えることによりいろいろなことが変わりました。夫の子どもたちを見る目も変わりました。時々、私は、家族の絆や結束、その価値を再確認するために、あのような体験をしなければならなかったのだと感じます。
 私は、Hさんに対して感謝の気持ちでいっぱいです。ですから、私はセンターでボランティアすることにしました。ボランティアをすることで、心の充実感、幸福感、生きがい、スピリチュアリティの向上など、お金や物では得られない豊かさを感じられる、素晴らしいものであると思っているからです。
 できることなら、私はすべての人をこのHさんがいるセンターに案内したい、ここに来られるすべての方が、私たちのように改善し、幸せになっていただきたいと心から願っています。浄化療法を受けたり、美術文化法としてお花を各部屋に飾ることに心がけることで、日々が楽しく感じられ、感謝の心が湧き、生きる力を得ることができると思います。

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