神奈川県 T・Kさん(58歳、女性)
〔母が緑内障の発作を起こす〕
平成20年4月、田舎の母(85歳)から、「頭が少し痛くて、目も少し痛いから、いつでもいいから帰ってくれない?」と電話がありました。3日後に帰る切符を買いましたが、次の日の朝、夫と娘が「おばあちゃんが来て欲しいなんて言うのは初めてのことだから、すぐに行ったほうがいいよ!」と押され、とにかく飛び出しました。
しかし、愛媛の実家に着いたのはもう夕方。母は頭痛、吐き気、目は針で刺すような痛みに加え、「真っ暗闇の中」と言うほど何も見えない中、1日半もうずくまって辛抱していました。「今から病院に行こうか?」と誘いましたが、母は「もう夜だし、明日の朝一番でいいよ」と言うので、私もつい「そうかなぁ~」と甘い判断をしてしまいました。
次の日、タクシーで名医と評判の眼科に行きました。医師は「何で2日も放っておいたんですか!!緑内障の発作です。すぐにここに行きなさい!」と医師が直接総合病院に電話を入れてくださいました。その病院でも「目の病気で緊急を要することはあまりありませんが、緑内障は別です。この病気だけは、私たちも夜中であれ、日曜日であれ、すぐに来ますのに・・・。水の流れが詰まり、眼圧が上がってしまい、網膜の細胞が死んでゆくのです。緑内障は一晩で失明しますよ。」と言われ、すぐに手術をすることになりました。手術はかなり痛かったけれど、今までの頭痛、目の痛み、吐き気は無くなったそうです。
担当された医師は「失明しなくて良かったですね」と言われましたが、母は「先生、失明と同じですよ。真っ暗闇から真っ白な霧の中に変わっただけで、先生のお顔も何も見えないのです!」と言うのです。医師は「失明とは真っ暗なのです。白色でしょう、違うのですよ」と説明されました。
〔悔いの残らないようにと〕
1泊して退院して帰ると父(90歳)は、吐き気もひどかったので、脳の病気だと思ったらしく、「生きて帰れてよかった。わしより先に死ぬんじゃないぞ!」と泣き、母は楽しみに育てているお花のつぼみ、野菜の芽、鯉、メダカ等々が全く見えないので、「生きていてもしょうがない・・・」と泣いていました。私も「ほんの少しでも見えるといいのに・・・ほんの少しでも・・・」と目が見えなくなった母が可哀想で、3人で泣いた夜でした。
夫に連絡すると「1ヶ月のうち1週間は神奈川で、3週間は愛媛で過ごす。そんなサイクルでしばらくやってみたら」と言ってくれました。
手術後、真っ白な霧しか見えない状態について担当された医師は「申し訳ありませんが、こればっかりはどうしようもないのです。」と言われていましたが、私は“悔いの残らないようにやるだけのことはやってみよう”と思い、母に浄化療法の施術を始めました。それからは夜中であれ、早朝であれ、母の横にお布団を敷いて、時間が空けば心を引き締めて浄化療法を施術する毎日でした。
16日後に看病を姉と交代することが決まり、私が母のそばにいられる日が限られることになり、なおさら「何が何でも・・・どうしても・・・ほんの少しの視野でも・・・」と願いながら真剣に浄化療法を施術する毎日が続きました。
〔お見舞いのハガキが読めるようになる〕
浄化療法をはじめてから3日目に診察に連れて行くと、母は「白衣の方かしら?白い影が動いている」とか、「黒いお洋服の影が動いているのがわかる」と言うようになりました。この前は、全然見えず、手探りでイスに座り、何を思ったのか、「死んだ方がましだ!」とか「こんなんでは生きていてもしょうがない!」と言っていたのです。
5日目ぐらいに、2m向かいで食事をしている父の姿がぼんやり見え、「おじいちゃんのお顔が赤いよ。少しお酒多いんじゃないの?」と言ったり、お皿の赤い花模様がぼんやり見えたらしく「明日からこのお皿にしてね。毎日、これを目印に見えるのを楽しみにしたいから」と喜んでいました。
10日目ぐらいに、目の霧はきれいに取れませんが、近くのものはかなり見えるようになり、大きな字で書いた孫たちからのお見舞いのハガキが読めるようになりました。
3週間目に医師の診察を受けると、「良かったですね。緑内障をする前よりも、良く見えるようになったのですか?」と尋ねられると、母は「ありがとうございます」と言っていました。私が「どうして見えるようになったのですか?」と尋ねると、医師は「角膜がきれいに治ったからですよ」と言われました。
一番悪い状態の時に、お見舞いに来てくれた親戚に御礼の電話をすると、「え!緑内障が良くなったの?」と驚いていました。
私が帰る時に、母はサクランボの実が赤く色づいているのを見つけ、枝を切って、アヤメとガーベラと一緒に荷物がかさばらないように包んでくれ、本当に驚きと感謝でした。
看病を交代した姉も「おばあちゃん普通だよ。あなたの最初の看病が良かったんだね。本当にありがとう」と言ってくれました。
5月25日に再び検診に行くと、医師は「眼圧も大丈夫。お薬も朝、晩の1個だけにしましょうね。」と言ってくださいました。両親は大変喜んでいます。