病院でのお花のボランティア

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長野県  S・Hさん(61歳、女性)

〔お花のいけこみから児童作品展や華展につながる〕

 平成7年9月、長男がS病院に入院したことがきっかけで、同年10月より本館4階でお花のいけこみを始めました。
 その時、病院のボランティア「アスパラの会」に入会させていただき、今年で13年目を迎えます。
 平成20年に入って、病院の患者さんや医療関係者の方々をはじめ病院を訪れる大勢の人にお花を眺めて、楽しんでもらいたいという思いから、「華展をさせていただけませんか」と相談を持ちかけたところ、大変喜んでくださり、平成9年より館内で行なっている児童作品展に続いて「華展」も開催させていただけることになりました。
 8月下旬にアスパラの会で毎年恒例のお食事会に招待されましたが、その席に長年いけこみでお世話になった看護師長のNさんも出席していました。
 今は看護師副部長という立場で在宅ケアも担当されています。Nさんは「地域と一体となったケアはどうすれば良いのか、今手探りなの」と以前から話されていたので、私は“どのようにお役に立てたらいいのか”といつも気にしていました。
 その食事会の席で「以前やっていただいたサークル花、患者さんにしてもらいたいんだけれど、いいかしら?」と頼まれ、お引き受けすることにしました。

〔初めて開催した華展〕

 児童作品展は10月24日~11月8日まででした。MOA光輪花の華展は11月9日~18日です。華展には4人のボランティアをはじめ、美術文化インストラクター8人のトータル12人が協力して行いました。9日から15日までは光輪花を14杯ほどいけこみ、途中の11日には花をすべていけかえました。また14日の夜にはMOA山月のサークルの花にいけかえて15日から16杯ほど観賞していただきました。期間中の10日間は毎日、花の水換えを行いました。
 展示会場は病院の正面玄関から少し入った場所で、医療関係者や入院患者だけでなく外来患者さんにも観賞していただけました。
 観覧された方々からは「素晴らしいですね、心から引き寄せられる何かがありました」「元気をもらった気がします。ありがとうございました」「心の安らぎをいただきました。今後の活躍を期待しています」「まあ素敵、私お花習ってみたい」「こんなお花をいけてみたい」など多くの声を聞かせていただきました。
 華展が終わった後、病院の総務課長のMさんから「何か展示してくれませんか?」と問い合わせがありましたので、知り合いのHさんが切手を使って作品を作っておられることを伺い、お話ししてみました。今まで見たこともないHさんの切手を使った作品は大変喜ばれ、市民新聞に載せていただくことができ、とても良かったのではないかと思っています。

〔花を楽しむ会〕

 サークルの花は、病院のMさんが「花を楽しむ会」というチラシを作ってくださり、参加者はNさんが集めてくださいました。11月19日に患者5名、看護師部長、副部長、婦長、看護師、看護学生の計10人でクリスマスの花器を作り、花をいけて楽しみました。花器作りは、ペットボトルを利用し、和紙を三角に切り両面テープで貼り、リボンと鈴をつけてでき上がりです。自分だけのオリジナルの花器を作り、これに花をいけましたが、みなさんは童心にかえって楽しまれました。
 「花を楽しむ会」は病院だよりに「身近なもので花器作り」と題して、当日の様子を写真で掲載していただくことになり、ちょっと驚いています。病院も「今後もこうした花を楽しむ会を定期的に開催したい」とおっしゃっておられます。
 様々な病気を抱えておられる患者さんや、激務の中を患者さんの健康回復を願って日々懸命に取り組んでおられる医療関係者のみなさんが、児童作品展やお花という美の活動を通して、憩いとやすらぎを得られることを願って続けてきました。そして、活動の輪が拡がることで、人の幸せを願える人が増えていくことが、私の生きがいになっています。
 私一人では何もできませんでした。いつも協力をしてくださるみなさまに心から感謝しています。

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