東京都 F・Mさん(63歳、男性)
〔扁平上皮ガンの発症〕
平成17年7月、歯茎の腫れが気になり、近くの歯科医にかかっていましたが、痛みもないので、そのうち小さくなるだろうと思っていたところ、8月に入りさらに大きくなり出血を伴うような状態になってきました。
家族の勧めもあり、9月中旬にMOA高輪クリニックに入院しました。その時医師から、「一度専門病院で診てもらうように」と勧められました。
10月初旬、歯医者から紹介された大学病院で検査を受けたところ、思いもしなかった「扁平上皮ガン」と診断の結果を告げられました。
長年勤めた会社を退職して1年余、肩の荷が降りて、ほっとして気ままな生活をして間もない時の出来事でした。
その後、ガン研究で著名なN医師にも診察していただきました。大学病院での診断内容を伝えると、扁平上皮ガンに対する説明とアドバイスをいただきました。手術についても、その必要性と、一般的にどのような手術がなされているかといった話を聞かせていただきました。
〔ガンの症状と手術〕
10月下旬、別の医療センターのガン専門医から診察を受けることになりました。医師の説明では比較的おとなしいタイプのガンで、小さくはないが大き過ぎるところまではいっていない、さらに外へ向かって出てきているので、内向するよりは良かったというような診断ではありましたが、これから先についてはいろいろなケースが考えられ予断は許されないとのことでした。
そして放射線治療を3週間続けることとなりました。毎回ほんの数分だけで痛くも何ともありませんでした。また、回数を重ねると皮膚の変色や味覚障害が出ることがあると言われていましたが、幸いにもそのようなことは起きませんでした。
11月末の手術を間近に控えたころ、担当医から「放射線効果により患部がかなり小さくなってきているが、CTスキャンを見ると下顎の骨に少しかかっているような微妙な状態であり、患部側のリンパも少し腫れている。後のことを考えると両方切除する」と説明がありました。
手術は結局10時間以上かかり、終わったのは深夜でした。
手術後、数日間の絶対安静を経て、その後の経過は順調で、いろいろな検査結果も良好でした。1週間ほどで歩行が始められるようになり、10日目には一般病室に移ることができました。
退院後の1月初めの診察で、手術で除去した患部の病理検査の結果、下顎の骨とリンパに転移は認められないと担当医から報告を受け、家族で喜びを分かち合いました。
〔岡田式浄化療法の徹底〕
9月の高輪クリニックの入院を機に、家に帰ってからは毎日浄化療法を受けることに努めてきました。毎日受けるには、家族だけでは手が足りないので、MOA健康生活ネットワークの皆さんをはじめ、多くの方々にお願いをしました。お蔭さまで、通院中も途切れることなく、それまで経験したこともないほど浄化療法を受けることができました。それによって、大手術を無事に乗り越え、また手術後も、日々、次々と体調改善が図られ、順調な経過につながっていったと思います。
とりわけ健康生活ネットワークのみなさんのチームワークにより、連日長期間にわたりローテーションを組んで取り組んでいただき、大勢の方々のご厚情、お一人おひとりが持っておられます他人への思いやりの深さを実感することができました。
ガンと診断されて以来、浄化療法を受けない日はなくなりました。N医師に診察していただいた時の「毎日3時間以上受けるように」とのアドバイスをずっと守ってきました。また、家族もお互いに浄化療法を施術し合うようになりました。全員が日常的にしっかり施術することができるようになりました。本当の結束というか、家族の気持ちが一つになったと思っています。
〔体験し、学んだこと〕
もし、退職前にガンが発症していればと考えると、この時期ということも、私にとっては幸運であったように思われます。
手術後の経過もこれ以上ないくらい順調で、「退院しても抗ガン剤投与と放射線治療は必要になるかもしれない」と言われていましたが、結局、そのような医療処置は必要ありませんでした。
ガンによる一連の経緯を振り返ると、あらためて様々な人生の経験をさせていただいたように思えます。MOAインターナショナルの活動は、素晴らしい事業であると思っており、時折、寄付をさせていただいてきました。このたびも、感謝の心やむなく、10月と12月の2度にわたって、家族で話し合い、多少大きな寄付をさせていただきました。何より、人のために尽くすことの素晴らしさ、大切さを、岡田哲学から学びましたから、寄付を通じて、社会貢献をしたいという気持ちでした。
これまでみなさまからいただいた、温かいご厚意に少しでもお応えできるよう、今後は人様の幸せのために尽くしてまいります。
〔妻・Yさんの手記〕
夫が扁平上皮ガンと告知を受けて、本当に天地がひっくり返るような思いでした。今まですべてが恵まれていたため、ガンということが受け入れられなかったのです。食欲はなくなるし、夜は眠れなくなりますし、どうすれば良いのかと本当に不安でした。落ち込むところまで、落ち込んでしまったという感じでした。
実は、私の両親が、ともにガンで亡くなり、義父もガンで亡くなっています。ガンに対して「これだけは嫌だ」という思いが強くありました。
夫のガン治療について、健康生活ネットワークの方々にも大変お世話になりましたが、家族も協力して取り組むことで、わが家は大きく変わってきたように感じます。
例えば、浄化療法を受けた後にお話を伺っている中で、夫がいろいろな相談を受けるようになりました。そして、次第にネットワークのみなさんの状況も手にとるように分かってきて、いつのまにか地域の幸福を願うよろず相談所的な働きを担うことができるようになってきました。
病気などで苦しんでおられる家庭に対して、幸せになって欲しいという願いが、家族全員の願いになってきました。息子などは、「あの人どうなったの」と、よく訊ねるようになりました。
また、私は、ネットワークの一人ひとりが、全て分かり合い、許し合い、お互いが高め合っていける仲間だと強く感じることができるようになりました。そういう仲間に囲まれて、わが家も癒されてきました。