東京都 A・Iさん(50歳、女性)
〔初めて岡田式健康法を体験する〕
平成16年4月、私は二男が高校に入学したとき、Hさんと保護者同士として知り合いました。私たちは「一緒に保護者会やりましょうね」と話し、息子たちも気が合い、お互いの家を行き来していました。
平成17年の春ごろから二男の様子に変化が現れ、夏休み明けから学校へ行かなくなりました。それでも、Hさんの息子さんのY君とだけは交流を続けていました。話し相手のいることがありがたく、それが二男にとって社会とつながっている唯一の機会のようでした。そうした状況の中、私は解決策を求めて、試行錯誤の日々を過ごしていました。
平成19年5月、Hさんが私をご自宅に招いてくれました。そのとき、初めて岡田式健康法を体験しました。きれいなお花がいけてあり、落ち着いた雰囲気の中でお抹茶をいただきました。そのあとで、浄化療法を受けました。私は”何をするのかな?”という気持ちもありましたが、”何事も体験だから”と思い、受けてみました。すると、体がすっきりし、その日と翌日にお腹にゴロゴロするような感覚があり、”身体のどこかに詰まっていたものが流れてきたのかな”と感じました。
平成20年1月、私たち家族のことを心配してくれていたHさんからお電話をいただき、2月に初めてわが家に来られました。当時、私は家族間の関係がうまくいかず、ご近所の方には相談できずにいましたが、Hさんのやさしい眼差しに、私の方から自然と悩みを打ち明けることができました。
そのとき、Hさんが東京療院のことも話題にされ、一緒に来てくださるということで安心して、”一度行ってみよう”と思いました。
〔東京療院へ通う〕
6月、私はHさんに案内されて東京療院へ行きました。”どんな所なのかな?”と思っていましたが、待合室にはお花がいけられ、ゆったりとリラックスできる音楽が流れていました。何とも言えない、心地よい印象を受けました。
私は最初に問診票に記入し、看護師から血圧などのバイタルチェックを受けました。その後、K医師に診察していただきました。その中で、私自身の心と体の状態についてお話しするとともに、家族のことについても相談しました。K医師は丁寧に私の話を聴いてくださいました。
そして、「大変でしたね。よく頑張ってきましたね」「これから時間をかけて取り組んでいきましょう」「一緒になって考えていきましょう」と言われました。
そのとき、私は”そんなに焦らなくてもいいな”と思え、心がふっと楽になり、”続けて通いたい”という気持ちが湧いてきました。
何度か東京療院に通って、家庭内の悩みを話すうちに、”家族を何とかしようということではなく、私自身にもゆったりとした時間が必要なんだ”ということが心から実感できるようになりました。
その後も、Hさんから岡田式健康法を体験する場に案内していただきました。その中でも、光輪花クラブに惹かれ、「ご近所の方を誘いたい」「ゆったりとした時間を体験していただきたい」と、私がつぶやいた一言から、地域での光輪花クラブがスタートすることになりました。そのため、”お友だちをお誘いするからには、私がきちんとMOAとつながり、理解していかなければ!”と思い、12月にMOAの会員登録をしました。
〔お花をきっかけに、家族の会話が増え、共通のつながりが生まれる〕
私は若いころにお花を習っていたこともあって、お花というと型通りにいけるとか、お正月に飾るというようなイメージしかなくて、家の中に花を飾るという意識もありませんでした。
夫は草花が好きで、庭にはたくさんの花が咲いていましたが、私は”あっ、咲いたわね”と見る程度で、夫の頑張っている姿を褒めたりすることもありませんでした。
しかし、私は東京療院の芸術ルームや光輪花クラブに関わるようになって、一輪のお花をいけることによって、その場の雰囲気が和らぐことがわかり、自宅の玄関やリビング、部屋にもお花を飾るようになりました。
それまで、家族の会話は少なかったのですが、簡単なメモにお花の名前を書いておくことで、「面白い名前だね」と会話のきっかけができたり、鉢植えを買ってくると、長男が水やりなどの世話をするようになるなど、お花を通して家族共通のつながりが出てきました。
平成21年4月ごろのことでしたが、普段から会話の少なかった長男が、リビングのミニバラを見ながら私に話しかけてきました。
「お母さん、このバラ、根が出てるよ。庭に植えてあげたら?」
何げない一言ですが、私にとって言葉では表せない喜びでした。私は夫と一緒に”ありがとう”と感謝の思いを込め、丁寧にバラを庭の鉢へと植え替えました。平成22年の春、そのバラはきれいな黄色い花を咲かせてくれました。さらに、夫の手入れしている庭を見て「ハナモモの花、きれいだね」などと、時折、子どもたちが話しかけてくるようにもなりました。物静かな夫もうれしそうで、最近では「光輪花クラブの花材に」と、大切な庭の花を切って持たせてくれます。夫と子どもたちの会話の機会も多くなっています。
ゆっくりではあっても、確実に家庭内の空気は温かみを増してきています。以前のように思い悩むことが少なくなってきたのは、光輪花クラブで出合う美しい花と、そこにHさんたちの支えがあったからこそだと感謝しています。
〔長男の変化〕
その後も、私は東京療院に通う中で、平成23年1月から、「滞在型健康プログラム」にHさんと一緒に参加するようになりました。そこで、岡田式健康法や運動を体験し、心からリラックスし、気持ちをリセットできました。”家族の中で、私だけがこんな良い体験をしているのは、もったいない”と思い、”ここ6年ほど、人の目を気にして、好きな場所以外へは外出しなくなっていた長男を連れていきたい”と思うようになりました。
その後、2月になってから、私は長男を東京療院に連れていきました。最初のころは、長男はためらいもあったようですが、K医師やT心理カウンセラーと話をする中で、次第に”自分のことを受け容れてもらえた”と感じたようで、1年間、毎月のように通えました。しかも、平成24年3月には、初めて一人で東京療院へ行くことができました。実は、長男が東京療院に行き始めたとき、”1年後とは言わないけど、一人で行けるようになってほしい”と願っていましたが、継続することで徐々に身体の動きが軽くなってきたようで、自分の意志で行くことができました。
また、私は”日々を楽しく明るい気持ちで過ごしてほしい”と願って、もうじき80歳になる実家の母を光輪花クラブやセミナーに案内する中で、価値観が共有でき、親子の絆も強まり、日々、母の心も悩みから解放され、少しずつ安定してきています。
〔健康生活ネットワークのみなさんと療法士のボランティアをする〕
私はHさんから浄化療法を受けたり、また、頭痛がひどくて寝つけないときは、自分で頭部を探査して施術したり、近くに住むMOAのメンバーの方も紹介していただき、いつでも浄化療法を受けられるようになり、とても安心しました。浄化療法を継続するうちに、全身が温かくなってきているように感じ、今まで時々あった頭を押さえつけられるような強い痛みがだんだん取れていきました。
Hさんをはじめ、健康生活ネットワーク(以下、ネットワーク)のみなさんは、”周りの方の気持ちや身体が少しでも良くなってほしい”という思いで、無理なく楽しそうに動かれています。今まで家庭の悩みなどは、ご近所の方には話せなかったのですが、ここのみなさんは親身になって耳を傾け、同じ気持ちになってくださるので、何でもお話しすることができて、それがとてもありがたく嬉しく感じました。
みなさんの姿を見ていて、”私も、何か役立つようなことがあれば、させていただこう”と思うようになりました。さらに、東京療院に通い、K医師やT心理カウンセラーからアドバイスを受ける中で、”目の前の息子の症状だけを見つめるのではなく、人の幸せのためにつくすこと、自分自身をより高めることも大切だ”とわかりました。
ですから、平成23年9月、Hさんから東京療院での療法士のボランティアのことを聞き、すぐに参加しました。私は”ゆったりと癒されてほしい”と願いながら、3人の方に浄化療法を施術しました。施術後、「身体が軽く感じ、楽になりました」「とてもスッキリしました」と言われたことがとても励みになり、”またボランティアに行きたい”と思いました。
その後も、療法士のボランティアをしましたが、浄化療法を受けた方々にとても喜んでいただき、何ともいえない充実感に満たされています。
〔自分の生き方そのものが変わり、家庭も変わる〕
また、お友だちのKさんは、健診を受けると思いがけず大病の疑いがあるとわかり、平成23年暮れに、「浄化療法を施術していただきたい」と来られました。Hさんと私で施術すると、不安を抱えていたKさんは「気持ちが楽になった」と言われました。
その後、東京療院のK医師にも診ていただき、わが家でも毎日のようにKさんを受け入れ、浄化療法を施術しました。並行して病院での検査も受けられていましたが、無事に悪性ではないとわかり、とても安心されました。今も継続してKさんに施術しています。
さらに、平成23年の秋ごろからご近所に住むOさん宅の異変に気づいていましたが、”どう声をかけたらよいのか”ためらっていました。
平成24年4月、「MOAニュース」と、庭に咲いている花を一輪持ってOさんのお宅を訪問してみました。すると、Oさんから「実は家族のことで困っているの」と打ち明けられました。私はOさんのお話をじっくり聴き、浄化療法のことを伝え、施術しました。それ以来、”Oさんの心の内に寄り添うことが私の今の役割かな”と思いながら、浄化療法を継続して施術してきました。
その後、11月にMOA会員とお友だちを対象とした「ミニ花展」が開催されることになりました。Oさんをお誘いしたところ、お嬢さん(20代)と一緒に参加し、「きれいな花々に、みなさんのパワーを感じました」と、とても喜ばれました。
私はHさんと出会い、岡田式健康法にふれる中で、家庭も変わってきましたし、何よりも、人のお役に立つことに関わらせていただくことで、自分にも得るものがあり、私の考え方や生き方そのものが変わってきたように感じています。