子どもたちに朝食の大切さを知らせたい

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滋賀県  W・Mさん(53歳、女性)

〔子どもたちへの「食セミナー」〕

 ある年の夏休み、小中学生対象のMOAサマースクールに私はスタッフとして参加させていただきました。当日は、保護者を含めて約34名の参加がありました。サマースクールの1コマに「食セミナー」が設けられており、それを担当させていただきました。子どもたちに少しでも「食」に関心を持ってもらい、日々の食生活を振り返るきっかけとしたい。また、食べることを通して、豊かな心や優しい気持ちを育てたいとの願いで臨みました。
 近年、「食育」の大切さがクローズアップされ、私が勤めている小学校においても様々な取り組みがなされています。「朝食・昼食・夕食のうち、一番大切なのはどれか」という質問に対して、全員が声をそろえて「朝食」と答えます。また、食べ物には栄養素により3つの働きがあり、黄(熱や力のもとになる)・赤(筋肉や骨をつくる)・緑(体の調子を整える)がそろうように、好き嫌いなくバランスよく食べなければならないことも知っています。
 このセミナーでも子どもたちに、「朝ごはんをしっかり食べてきたかな?」と尋ねると、子どもたちは何らかの食事はしてきていました。そこで今朝の食事内容について、親子で栄養のバランスチェックをしてみました。食べた食品を黄・赤・緑のシールに分けて書いてみた結果、コンビニなどのおにぎりだけ、ドーナツ2個だけ、トーストとコーヒーなどの飲み物だけという全く貧弱な食事内容が多く、3色のシールがそろった家庭は少数でした。内容ばかりではなく、一人で食べていたり、子どもだけで食べたいものを食べたいだけ、好きな時間に食べている実態もありました。

〔朝食は1日の活動エネルギーの源〕

 朝食は、1日の活動のエネルギー源であり、まだ目覚めない脳にスイッチを入れる大切な働きをしています。だからこそ主食、主菜、副菜のそろった栄養のあるバランスのとれた朝食をとりたいものです。
 夕食はどこの家庭でも食材も豊かで、気分的にもリラックスして食べることができ家族の団らんの場となっていることが多いのですが、その大切な朝食はというと、多くの家庭ではあわただしくて家族が顔を合わせ、団らんしながらいろいろなごちそうをいただくという余裕などないのが実態です。これでは真の健康は望めません。
 わが家でもこのような傾向にありますが、その食生活を反省して、せめて休日だけでも家族そろって豊かな朝食をしようと努めています。

〔子どもたちと「食べる」ことを考える〕

 また、セミナーの中で「動物の食事と人間(ひと)の食事のちがい」についても子どもたちとともに考えてみました。調理をして食べること、いろいろな種類の食べ物を食べること、みんなと食べることなどの意見を出し合いました。人間(ひと)は、動物の肉、魚、野菜や果物などの植物、ありとあらゆる命をいただくことによって生命を保持している。だからたくさんの命、自然の恵みに感謝し、「(命を)いただきます」と手を合わそう。また、料理を作ってくださるお母さんにはもちろんのこと、その食材を育てたり、収穫したり、売ったりなどたくさんの人々の働きによって食事ができることに感謝し、好き嫌いしないで残さずしっかり食べよう。そして、元気いっぱい勉強したり仲良く遊んだりしてほしいと子どもたちに伝えました。
 参加した子どもたちは、とても関心を持って話を聞き、「食」について考え、自分の食生活を振り返ることができました。そして「いただきます」「ごちそうさまでした」のあいさつをすることや朝ごはんをしっかり食べること、好き嫌いせず残さずに食べることなど一人ひとりが新たに目標を持ちました。一緒に参加してくださった保護者の方にも、これからの食生活に少しでも改善する意識を持っていただけたのではないかと思っています。

 岡田式健康法では、生命力あふれる食材を選ぶ、うす味に心がける、食べ物を作る人に感謝して食を楽しむ、米などの穀類や野菜を食べる、食事と運動のバランスに気をつける、の5点を実践のポイントにしています。私は、日本の食文化である米飯を中心とする食事、季節に則した旬のもの、四季折々の行事食などについても学びを深め、子どもたちが体も心も豊かに健やかに成長できることを願って、これからも食育活動を実践していきたいと思います。

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