ペルー E・Bさん(68歳、男性)
〔原因不明の痛みに襲われて〕
私は、大学の文学部の教授を退官した2004年ごろから、1時間ほど座っていたり歩いたりすると、背中や腰のあたりが痛むようになりました。そう激しい痛みではなかったので、気にもせず、普段通りの生活を続けていましたが、半年ほど経つと、何もしていなくても刺すような鋭い痛みが出てきました。それが長時間にわたって続くために大変つらく、ベッドの中で1日中寝ている日が週に1~2回はありました。
これは何かの病気ではないかと不安になり、2005年2月にかかりつけの医師に相談し、血液検査や尿検査、レントゲン検査、そして念のためにガンの検査も受けました。
しかし、検査の結果は「すべて異常なし」とのことで、「痛い時には、これを服用するように」と痛み止めの薬を処方してもらい、病院を後にしました。
それからは、痛みが出てくると痛み止めの薬を飲むようにしました。一時は痛みが軽減して楽になるのですが、飲み続けるうちに、だんだんと効果が薄くなっていきました。そのため、2005年6月に再び病院へ行って医師に相談しました。すると、今までよりも効果の強い痛み止めの薬が処方されました。
そういう生活が4年も続きました。その間、何度か薬を変えましたが、症状は一進一退でした。強い薬を毎日飲んでいたためか、2005年の10月ごろから胃炎になってしまいました。
一番の心配事は妻のことでした。大学を退官してからは、少ない年金でも幸せに暮らしていこうと、妻と老後の計画について話し合っていました。しかし、私が突然このような状態になってしまったので、“死ぬまでこのままの状態が続くのだろうか”、“寝たきりになってしまったら、妻に介護の苦労をかけてしまうことになる”と不安になってきました。改善のないまま、寝たきりの状態が多くなることで、自然と夫婦の会話が少なくなり、家庭環境もこれまでと違った暗くつらいものになり、楽しく過ごすはずだった老後の生活が音を立てて崩れていくようでした。私自身、このような生活に、肉体的にも精神的にもほとほと疲れてしまいました。
〔痛みが改善する〕
2008年3月ごろ、以前勤めていた大学の図書館で読んだ、岡田式浄化療法の効果を紹介した「改善症例集」のことをふと思い出し、探しに行きました。
症例集には、さまざまな疾患の改善症例が載っており、ペルーにも浄化療法が受けられる場所があることを知りました。“現代医学では手の施しようのない私の症状に、何かしら解決の糸口が見つかるのではないか”と思い、2008年4月9日にMOAペルー療院に行きました。
療院では、ちょうど浄化療法の調査が行われているとのことで、私は協力者として申請しました。
さっそく療法士の方から約1時間、背中や腰の痛い部分、そして腎臓部に浄化療法を受けました。すると、腰にあった痛みが軽減し、その夜は何年かぶりにぐっすり眠ることができました。
“手を翳しているだけなのに信じられない”という思いでした。たった1時間で痛みが取れたのだから、継続すれば、これまで長年苦しんできた痛みから解放されるのではないか、妻と相談していた老後の計画も可能になるのではないかと思いました。自分のこれからの人生に希望が持てるようになりました。
翌週も療院へ行きました。その時、療院のスタッフから医師の健康相談も受けられると伺い、4月の末にP医師の診察を受けました。
P医師にこれまでの検査結果などを見ていただきましたが、「確かに検査結果からは異常は見られない」とのことでした。そして、「岡田式健康法、特に浄化療法を継続して、様子を見られてはいかがですか」とアドバイスしていただきました。私も初回の浄化療法の結果が良かったので、そうすることにしました。
それからは、継続して調査の協力者として浄化療法を受け、また、いけばななどを体験する健康増進セミナーにも参加しました。
5月の末ごろからは、これまでの痛みが嘘のようになくなり、体力もめきめきと回復し、ついに痛み止めを服用しなくても一日を過ごせるようになりました。今は背中と腰の辺りに少し違和感はありますが、以前に比べれば、別人のように体が軽く、元気になることができました。
〔岡田茂吉先生の論文からの気づき〕
私は本を読むのが好きなので、療院のスタッフの方に岡田先生の哲学に関連する本はないかと聞いてみました。するといくつか紹介されたので「感謝」というタイトルの小冊子を購入し、家に帰ってさっそく読んでみました。本当に素晴らしい論文で、一気に読みきってしまいました。
「感謝」ということは、私がこれまであまり意識したことのないものでした。
私が病を抱えるようになると、妻をはじめ、周りの方々が本当に親身になって心配してくれて、いろいろと相談にものってくれました。特に妻は、つらい時に痛いところをさすり続けるなど、夜通しで看病してくれました。
しかし私は、“痛いのだから看病するのが当たり前”と、自分本位の考え方しかできなかったことに気づきました。妻に申し訳ないと思い、ある日、勇気を出して「私が苦しかった時、そして今も支えてくれてありがとう」と伝えました。すると妻は涙を流して喜んでくれました。
私はこれまで多くの書物を読んできました。哲学の祖と言われるソクラテスや弟子のプラトン、理想的な教育方法を哲学化したルソーなど、いろいろな哲学書も読みました。しかし、岡田先生の書かれた論文は、これまでに出合ったことのない哲学でした。しかもMOAの方々は、先生の意思を継承され、具体的に実践されていて、大変素晴らしいことです。私はこの論文をもっと広く公表して、一人でも多くの方々が岡田先生の哲学を知り、幸せになってもらいたいと思いました。
〔病に苦しんでいる人の助けになりたい〕
岡田式健康法のおかげで、私は以前のように家族と散歩に出かけたり、会話しながら楽しく食事ができるようになりました。暗かった私たちの家庭が、以前のような明るく和やかな家庭に戻り、妻と再び今後の計画について、夢と希望を持って話せるようになりました。
また、以前の自分のように病に苦しんでいる人の助けになりたいと、療院で療法士のボランティアをしたいとの思いになりました。
妻に相談したところ快諾してくれたので、7月19日にMOAに入会し、さっそく療法士資格講座を受講しました。浄化療法の概要と実際の学びを進めていくうちに“これまでは受ける側だったのが、今度は療法士として手助けする側になるんだ”と気持ちが高ぶりました。毎回、参加するのが楽しみで、妻からは“まるで子どもみたいね”と言われたこともあります。
9月30日に検定試験を受け、無事合格し、資格を取得しました。私もこれまでいろいろな試験を受けてきましたが、今回の試験で今までの苦しい生活に終止符が打てたような気がして、感極まり涙がこぼれてきました。これからは、療法士として頑張っていきたいと思います。
〔夫人のコメント〕
夫が背中や腰が痛いと言いだした時は“まあ、年も年だし、どこか痛くなるぐらいが普通でしょう”と思っていました。それが日に日にひどくなっていくようで、半年ほど経ったころには、夜も眠れないような日が何日も続くようになりました。私が夫にできることといえば、痛いところをさすってあげることぐらいでした。痛みで苦しむ夫をそばで見ているのがつらくて、本当に悲しい日々を送っていました。
そんなある日、夫が「大学の図書館で借りてきた」と言って、改善症例集という本を私に見せてくれました。「おまえ、これどう思う?」と聞かれたので、正直言って信じられませんでしたが、「治療方法がないのなら、試してはどう?」と賛同しました。私も藁をもつかむ思いだったのです。
夫は、それからさっそくペルー療院に行って、浄化療法というセラピーを受けたようですが、その日は痛みもこれまでと違って軽いもので、その夜は久しぶりでよく眠れたと喜んでおりました。そういう夫の笑顔を見るのが久しぶりだったので、私も大変嬉しく思いました。
それからは、毎週療院に通って浄化療法を受けたり、健康増進セミナーへ一緒に参加しましたが、夫が言うように、家族的な雰囲気で、浄化療法やお花やお茶を体験すると、私もこれまでの疲れが一気に癒される思いがしました。
今では、夫も元通りの生活ができるようになり、私たち家族にも笑顔が戻り、一緒に買い物をしたり散歩に出かけたり、そして食卓も和やかで楽しい家庭に戻りました。ペルー療院と浄化療法に感謝しています。
〔P医師コメント〕
私がBさんを診察したのは、3回目の浄化療法を受けた日でした。
事前に、これまでの診察結果やレントゲン写真などを持ってくるようにお願いしていました。主治医が言ったように、検査結果からは何の異常もありませんでした。しかし、本人は夜も眠れないぐらい痛むことがあるとのことでした。
私が抱えている患者さんの中にも、Bさんのような症状を抱え、長年苦しんでおられる方は多いです。現代西洋医学ではその原因を特定することが難しく、鎮痛剤を処方するのが精一杯です。しかし、毎日薬を服用するということも、患者にとっては大きなストレスになります。さらには胃炎などの副作用も気になります。現にBさんは、痛み止めの薬を服用するようになってから胃炎を患うようになりました。
今回、Bさんは「最初の浄化療法によって痛みが軽減し、夜も眠れるようになった」と言われたので、痛み止めを服用しながら、浄化療法を継続していくことを提案しました。するとめきめきと回復していきました。私もその様子を実際に見て、あまりに顕著な回復状況に、正直なところ驚いています。
Bさんがこれまでの苦しみから解放され、健全な家庭に戻ったことは、同じような症状で苦しんでいる方々にとって、大きな福音であると思います。