メキシコ I・Gさん(22歳、女性)
〔妊娠できないかもしれない〕
私は2001年から右卵巣嚢腫(嚢胞性腫瘍)を患い、ホルモン剤治療を試みました。しかし効果は見られず、月経周期が来るたびに痛みはひどくなりました。2005年には耐えがたい痛みに襲われて緊急病院に運ばれ、手術で右卵巣の大部分を摘出しました。
それからしばらくは落ち着いていたのですが、次第に月経周期が短くなって、痛みが出てきました。病院に行ってエコー検査をしてもらうと、今度は左卵巣にもオレンジ大の腫瘍ができていることが分かり、再び卵巣嚢腫と診断されました。
主治医からは、「今の状態であれば妊娠できるが、手術をしないと悪化していく。そうなると将来はもう妊娠はできない」と言われました。私は将来に不安を感じ、夜も眠れないほどのストレス状態に陥りました。私も家族も、手術以外に症状が改善する方法があれば、どのような治療でも受けたいと願っていました。
ある時、友人から紹介された医師の方から、MOAメキシコ療院で岡田式健康法をしていることを聞きました。2008年3月19日、さっそく母と兄に付き添ってもらって受診しました。
診察していただいたA医師に、私は病気の経緯と悩みを打ち明けました。A医師は私の話を聞いた後で、「手術を希望しないのであれば、現在服用している薬とともに岡田式健康法を行ってみてはどうか」とアドバイスをしてくださいました。診察の後で、療法士から浄化療法を受けました。すると、下腹部の痛みが和らぐとともに、なぜか心が落ち着いてきました。A医師からは「しばらくの期間は、療院で毎週2回浄化療法を受けることと、週1回はいけばなによる芸術セラピーを続けてみますか」と勧めてくだったので、通ってみることにしました。
〔岡田式健康法の体験〕
浄化療法は平均して1回約1時間で、腎臓部や腰部、下腹部を集中的に受けました。
最初は、浄化療法を受けると下腹部の痛みが軽くなりました。3回目となる3月26日ころからは、便秘が改善され、気持ちも落ち着くようになりました。
浄化療法の後にはいけばなを体験しました。はじめは花とどのように向き合えばいいのか分かりませんでしたが、スタッフの方から丁寧に説明を受けていると、私自身が花をいけるのを楽しむことが大事だと理解できました。
また「感想を書いてみたら」と勧められて、いけ終わった後に感想を書きました。その時の感想を読み返してみると、「美しい花を見ていると、私を平和な気持ちにさせてくれる」「一輪の花でも生命力にあふれていて、その完璧さに大自然のすごさを感じることができた」「花を飾る。朝目が覚めた時や病院から戻ってきた時、寝る前など、枯れていくまでその花の美しさを愛でる」とつづっています。いけばなは、確かに私の心を豊かにしてくれたと感じます。
食事については、A医師から「野菜中心にするように」と指導されました。わが家は肉食が中心の食事でしたので、最初は抵抗がありましたが、家族の協力を得て、次第に取り入れることができるようになりました。特に、朝食は野菜を食べるように心がけています。最近はいろいろな野菜の調理法も教えてもらっています。
〔卵巣嚢腫がほとんど消失する〕
浄化療法を受けはじめて3週間経った4月5日に、下腹部が激しい痛みに襲われました。歩ける状態ではなく、また車に乗っても、走っている衝撃でさらに痛みが激しくなるので、しばらくベッドに寝たきりの状態が続きました。4月9日も一人では歩けない状態でしたが、父親に抱きかかえられて何とか療院に行き、浄化療法を受けました。すると、痛みがかなり軽減したのです。
この日は、定期的にエコー検査を受けているかかりつけの病院にも行きました。その時、医師から「最新の検査結果を見ると、腫瘍が小さくなっているようだ」との報告を聞きました。私はその時、“浄化療法で良くなるのではないか”との思いが強くなりました。
4月15日も、同じように下腹部の激しい痛みがありましたが、療院へ行って浄化療法を受けると、翌日には下腹部に違和感があるだけで、痛みは感じなくなりました。それ以降も痛みはほとんどなくなりました。
その月の月経は10日ほど遅れましたが、凝固物や膜とともに暗色の出血がありました。
5月6日、かかりつけの病院の検査では、オレンジの大きさの左卵巣の嚢腫がほとんど消失していることが確認されました。本当に驚きました。
翌7日に療院に行き、A医師にその検査結果を報告しました。また、浄化療法を受け始めて下腹部の痛みがだんだん取れていったこと、浄化療法を受けた後はとてもリラックスした気分になるので、このセラピーがとても気に入っていること、そして、自分でも浄化療法をできるようになりたいので講座を受けたいことをお伝えしました。私は初めて自分の将来に夢を描くことができるようになりました。
私は浄化療法をするためにMOAに入会し、まずは家族から浄化療法を施術しています。医師である父は当初、疑いの気持ちを持っていましたが、私の症状の回復具合を見て、浄化療法をはじめ、岡田式健康法に対する信頼が高まったようでした。 療院で開催された健康増進セミナーには、家族(父、祖父)で一緒に参加しました。
〔父親のコメント〕
岡田式健康法の効果によって、今回の娘の結果があったと思います。娘は単に症状の改善だけでなく、性格、ものの考え方、見方も変わったと思います。
また、私は首や肩が大変凝っていて、首も充分に回すことができませんでしたが、浄化療法によって首回りが柔らかくなって、回せるようになりました。まだ25年来の腰痛と両足の痛みは改善されていませんが、これは時間を要すると思っています。浄化療法だけでなく、食事法も取り入れて症状を改善しないといけないし、体重ももっと落とさなければいけないと思います。
私の父も浄化療法で改善が見られました。父は頭痛や耳鳴り、めまいがひどく、一人で安心して歩けない状態で、メキシコシティに連れてきて、いろんな医者に診てもらってさまざまな治療を受けましたが、効果がありませんでした。しかし、娘の変化を見てから父親を療院に連れて行き、浄化療法を受けてもらうと、症状が改善したのです。現在は田舎に戻って元気に過ごしており、本人も大変満足しています。
〔A医師のコメント〕
Iさんには、2008年3月19日に初めてお会いしました。Iさんは自分が結婚した時の家庭生活の構想、最終目標といった考えをしっかりと持った娘さんです。卵巣嚢腫の診断はこれらの計画を狂わせてしまい、将来結婚しても子どもが授からないのではないかという不安が彼女を神経質にさせていったと思います。もともと背が低くやせておられましたが、食事が摂れなくなって、さらに体重は落ちていきました。
療院では浄化療法を週に2回受けることと、美術文化法としていけばなを勧めるとともに、食事指導をしました。
食事については、できる限り農薬や添加物を使用していない食材を使った食事をするように指導しました。
Iさんの家庭は常に動物性たんぱく質を好み、野菜は全く摂取せず、たまに果物といった食生活をしていると聞きましたが、しばらくすると、野菜を多く摂って、牛肉から鶏肉にすることを決心されました。
嚢腫がほとんど消失して、本人は起こったことが信じられないようですが、医学的にも十分な説明はできません。
私はこれまでにも、嚢腫が消えた人を何人か診察していますが、そういう人では改善までに多くの時間がかかったことを考えると、わずか1ヶ月半で改善したその早さに注目すべきです。本人の生命力や自然治癒力と、この療院で素直に健康法を受け続けたことに要因があると思います。しかし、完治したとは考えずに、これからも継続して岡田式健康法を行い、経過を観察すとるこが必要です。