光輪花クラブの楽しさ

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北海道  T・Hさん(59歳、女性)

〔親子で光輪花クラブのお花を習う〕

 私は数年前からMOA会員になっていたのですが、仕事が忙しくて、行事や集まりにほとんど参加することなく疎遠になっていました。平成21年10月に、近所のMOA健康生活ネットワークのOさんに会った時、その思いを話すと「今度、健康生活館旭川岡田式健康法の1日体験日というのがあるので参加してみたら?」と誘われました。
 10月16日、健康生活館で浄化療法美術文化法のいけばなを体験しました。いけばなでは、美術文化インストラクターの方に、「花を良く見て、自分が一番綺麗だなと思うようにいけてください」と言われ、お花を花瓶に挿して、綺麗に見えるようにいろいろ角度を変えて試してみたのですが、納得がいかないというか、自分でも“形になっていないな”といういけ方でした。
 体験日が終わった後にOさんに感想を話しました。納得がいかなかったこと、もっと教材があったり、いけ方が詳しく載っている本を使ったりして教えてもらいたかったと話すと、Oさんは、私が花に興味を持っていることを感じ取ってくださって「それだったら、インストラクターのKさんがいけばなを教えてくれると思うから、そこで習ってみたら?」と言われました。
 家に帰り、仕事から帰ってきた娘に、この日の出来事を話して「お花を教えてもらえるみたいなんだけれど、一緒に行ってみるかい?」と聞きました。娘は「うん」と言ってくれたので、さっそく11月からKさんのお宅へ月2回、娘と一緒に光輪花クラブというお花を習いに行くようになりました。

〔いけばなの醍醐味〕

 光輪花クラブのメンバーは私と娘だけでしたので、時間は午前10時から12時までと、私たちの都合に合わせてくださいました。光輪花クラブでは、ガイドブックを読みながらいけ方を教わり、そして、用意された花材をじっくり観察して、気に入った花を選んで花器にいけました。
 私は最初、Kさんのいけた形に少しでも近づけようと思いながらやっていました。でも、なかなかうまくいきません。納得いかないまま終わる時もありました。ある日、いけ終わった後に、Kさんに「どういうふうにいけたいと思っているの?」と聞かれて、自分のイメージを話しました。するとKさんは、よくお花を観察してから、「こう向きを変えると、花がより生き生きしているように見えるわよ」と言って直してくれました。向きを変えただけなのですが、全体のイメージがとても変りました。私も、お花の角度をいろいろ変えてみてはいたのですが、“少しだけ向きを直しただけで、こんなにイメージが変わるなんてすごい”と驚き、これがお花の醍醐味なんだなと感じました。
 また、Kさんから言われた「花は生きているから、自分の子どもと同じように、可愛がるように大事に扱ってね」と話されたことが強く印象に残りました。1日体験日の時もそうでしたが、私は無我夢中という感じでお花を選び、いけていたように思います。でも、Kさんのいけている姿を見ていると、本当にお花を愛でているような感じがしました。
 私は、お花に対する見方が変わりました。今では、Kさんのようにお花を持つ時はもう片方の手を添えたり、どこが一番綺麗なのかじっくり観察したり、いける時も「いいところを見せてね」とまるで会話するかのようにいけるようになりました。

〔娘の変化〕

 光輪花クラブでいけた花は家に持ち帰ることができて、私たちは一緒に部屋に飾ったり、仕事場に持っていって飾ったりしています。心を込めていけたお花なので、疲れた時に花を見ているだけで癒される感じがあります。花を部屋に飾ると雰囲気も明るくなっています。
 光輪花クラブを続けているうちに、娘の性格も変化してきているように思います。
 娘は父親を小さいころに亡くしていますし、一人っ子ということもあってか、四角四面な性格だったのですが、光輪花クラブのお花を習い始めてからは、人の気持ちを汲んだり、思いやる気持ちが出てきたように思います。健康生活館に行く時はいつもお迎えをしてくれるようになったり、時々、生活館に連れてきた時も、生活館に来た人と気軽に話をするようになったりと、物腰がすごい柔らかくなって、気持ちが優しくなってきていると感じています。親子ゲンカもすっかり減りました。私は光輪花クラブを体験したお蔭だと思っています。
 娘は光輪花クラブでいけた花を婚約者の家にも持って行っているようです。娘は毎回、光輪花クラブでいけた花を携帯のカメラに写して保存しているのですが、彼氏の家に行く時は持ち帰った花をもう一度一緒にいけるそうです。でも写真の通りにいけようとしても、うまくいけられなくて、彼氏と「ここが違うんじゃないか」と相談しながらいけていると、楽しそうに話していました。
 また、相手のお母さんはお花が好きなので、花を持っていくと「花器が物置にあるはずだから出してくる」と言って出してきて、一緒に花器へ花をいけたという話も聞きました。
 娘の花のいけ方はとてもいいのです。若いから飲み込みが早いのか、Kさんのいけ方をしっかり見て、いい所は学んで、綺麗な花をいけています。

〔みなさんに光輪花クラブを勧めたい〕

 平成22年2月に近所のIさんも光輪花クラブに通われるようになりました。Iさんは前年の9月にご主人を亡くされたのですが、その時、お墓の建て直しを考えておられて、私が知り合いの息子さんの経営している墓石店を紹介したことをきっかけに親しくなりました。
 私はご主人を亡くされた寂しさを少しでも和らげてあげることができたらと、時々、光輪花クラブでいけた花をIさんのお宅に届けていました。Iさんは、お花を届けるたびに「あら~いい花ね」「綺麗だわ」「台所に飾ってみるわ」と喜んでくださいました。そこで、「一緒に光輪花クラブでお花を習いましょう」と誘って、今はIさんの家を教室に、娘と3人で楽しく習っています。
 今年の夏、Kさんの畑に咲いたひまわりを20本ほどいただきました。花をよく見てみると、花びらとか形とか花は一つひとつ違いました。どのひまわりも綺麗で、本当に言葉をかけたくなるような輝きでした。Kさんが「花は人間と同じで生きているのよ」という言葉がよくわかり、私も「綺麗に咲いてね」と1本1本に話しかけながらいけました。
 私は、元々お花は好きという訳ではなかったのですけれど、やってみたらすごく楽しいことが分かりました。Oさんに紹介されて、Kさんに教えていただいて良かったと思っています。
 光輪花クラブは是非みなさんに勧めたいです。私の選んだコースは入会金10,000円で、受講料は月額2,000円ですが、年に何回か行くちょっとした旅行を1回我慢して、月々のお小遣いを少し溜めれば通えると思いますし、そのぐらいの価値があると思っています。光輪花クラブでいけた花だけでは1ヶ月間、部屋を飾ることができないので、私は月に1~2回、500~600円ほどの予算でお花を買い足しています。夏の暑い季節だと、ひんぱんに水替えも必要です。でも、私がお花にお金と手間暇をかけるのは、その分だけ花が私を癒してくれるのを実感しているからです。癒される以上の価値があるからと思うからです。

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