タイ U・Pさん(55歳、女性)
〔人間関係で悩み不眠症に陥る〕
私の職場はアメリカのNGO団体で、2002年ごろから外国人の上司との関係で悩みを抱えるようになりました。というのも、上司は感情の起伏が激しく「俺を理解しようとしない」「コミュニケーション能力が欠けている」などと決めつけてしまうのです。私は、仕事についての様々な事情を訴えるのですが、全く聞いてもらえませんでした。しまいには口論で終わることが常となり、毎日の緊張が高まっていきました。そのことでストレスが溜まり、2006年ごろから不眠状態になってしまいました。
〔光輪花コースを習い始める〕
2006年8月に入って、日ごろから会社の悩みを相談していた友人から、「MOAタイ生命科学芸術学院で、お花を楽しむ光輪花を習ってみないか」と勧められ、10月13日から習い始めました。そして、2ヵ月後の12月17日にコースを修了しました。
私は光輪花コースを受講してから、気持ちが落ち着いてリラックスできるようになりました。
コースの学びで岡田茂吉先生の哲学に出合い、自然を楽しむ生活を送ることの大切さを知りました。「植物は生きている」「花による天国化運動」などの論文から、花によって人間のさまざまなストレスが解消できることを知りました。そこには『事務室の隅に書斎の机に一輪の花が如何に一種清新の潤いを覚えしむるかはここに言う必要はない。理想からいえば留置場、行刑場等に迄も一枝の花を飾りたいのである。そうすれば彼等犯罪者の心理に如何に好影響を与えるであろうかである。この様に人間の居る処必ず花ありというような社会になれば現在の地獄的様相を相当緩和する力となろう。』と書いてありました。
私は独身で一人住まいですが、光輪花コースで習ったように、自分の家でも花をいけるようにしました。さらに、職場やビルの共同トイレにも花をいけました。そして上司の机の上にも花をいけるようにしました。
〔職場環境の改善〕
これまで私は、事務所ではお花をいけたことはなかったので、職場の方は大変驚きながら、私のいけた花を観賞すると「綺麗だ」と褒めてくれました。花をいけるようになってから、職場の雰囲気が明るく変わったように感じます。
2006年12月ごろ、私のストレスの原因となっていた上司は、私のいけた机の上の花を見ると、その花が気に入ったのか、涙を流して、私に「ありがとう」と言ってくれました。また、「これまでの自分のあり方を改めていきたい」と言われました。
論文にあるように“花の力で上司の態度が変わったのだ”と思い、私は花が人に与える影響、花の持つ力を実感できるようになりました。また、その上司は、事務所の予算で、職場に花をいけるように計らってくれました。
やがて、ビルに同居しているほかの会社の人たちも、私のいけた花を見に来るようになりました。これまで口をきいたことのなかった人たちもやってきて、おしゃべりをするようになりました。その中の1人は、特に花に興味を持ち、親しく私と話すようになりました。それが縁で、故障したコンピュータのソフトを治してくれました。
このような出来事があってからは緊張が和らぎ、ストレスが解消してよく眠れるようになりました。
〔MOA美術文化インストラクターを目指す〕
2007年に入って、私は仕事で体が疲れていたことから、自分の健康を増進するために、ロブリ瑞泉郷で行なわれた2泊3日の滞在型健康増進セミナーに参加しました。
健康増進セミナーでは岡田式健康法の浄化療法、美術文化法、食事法を体験しましたが、爽やかな気持ちになり、セミナーが終わったころには前向きに仕事をしようという気持ちになっていました。岡田式健康法の素晴らしさに、私は“自分も病で苦しんでいる人々を癒してあげたい”と思い、浄化療法の療法士資格講座を受講することにしました。2007年6月15日に資格を取得してからは、バンコクのMOA治療院で月に1~2回、療法士のボランティアに参加しています。
また光輪花コースに通っているころに、光輪花を人に教える美術文化インストラクターを育成する特別研修コースがあると聞いていました。私も教えられるようになりたいとの気持ちが強まり、講習を受けました。
その後、岡田式健康法を体験する地域の健康増進セミナーに、美術文化インストラクターの補佐として参加するようになりました。参加者の方と一緒に花をいけたり、その手伝いをしました。参加された方の感想や意見は、自分自身の励みと力になりました。
〔MOA健康生活ネットワークについて〕
私の地域でMOA健康生活ネットワークを組んでいるTさんIさんご夫婦は、私の友人です。このご夫婦が、私に岡田式健康法のことを話してくださったのがきっかけで、健康増進セミナーなどに一緒に参加するようになったのです。
以前はTさんとIさんの家を訪ねる時は、いつも世間話をしていました。しかし、最近は光輪花について話し合うことが増え、花の美しさを語り合ったり、お互いで浄化療法を施術し合っています。
健康生活ネットワークのSさんは、「MOA美術館バンコク児童作品展」など子どもたちを対象とした行事を開催する時に、美術文化活動の一環として花をいけたり、花器づくりをしています。2008年に入ると、Sさんは「あなたも子どもに花器づくりを教えられるように」と言って、空きビンや空き缶を利用した花器の作り方を教えてくれました。
〔人様の幸せを願って〕
以前は、草花にあまり関心がありませんでした。しかし、友人に紹介された光輪花コースに参加して花の持つ素晴らしさを学んでからは、花だけではなく自然の豊かな美しさにも目を向けるようになりました。
ほかの芸術や美術にも、今までよりも関心を持つようになりました。昔は、演劇などは見向きもしなかったのに、いつしか劇に関心が向くようになりました。それだけではなく、インストラクターの方々から、「Uさんの服装が、最近は明るく綺麗な服装に変わってきた」と聞き、嬉しさが込み上げてきました。
私は以前、土日は休むと決めていましたが、様々な研修を受けて岡田先生の哲学を深く知るにつれて、MOAが進める社会のためのボランティア活動に心惹かれ、参加したい気持ちが強くなりました。今はいけばなの活動を手伝ったり、MOAバンコク治療院で療法士のボランティアをしています。