うつ症状の友だちが瑞泉郷で癒される

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広島県  T・Aさん(32歳、女性)

〔うつ症状のYさんを瑞泉郷で癒したい〕

 平成17年の5月ごろ、会社の同僚のYさんから、「仕事や家庭に悩みがあって、ひどくストレスを感じている」と打ち明けられました。感情のコントロールができなくて、すぐに腹を立てたり、イライラしたり、体もつらいと話してくれました。年に何回かこのような相談を受けるのですが、今回は本当につらそうでした。病院にも行ったそうで、「処方された薬が抗うつ剤だった」と落ち込んでいる様子でした。
 私はYさんのことが心配になり、何かできることはないかと考えていました。機会をみては自然食の話や食生活の大切さを話したりしましたが、あまり耳を傾ける様子はありませんでした。
 ある日、Yさんは「休みの日に家に居ても落ち着かず休養にならない」と言っていたので、私はどうしたら気持ちが落ち着くのかを考えてみました。その時、以前、私が沖縄へ行った時のことを思い出しました。
 沖縄滞在中に瑞泉郷へ案内されました。そこは、畑だけではなく、綺麗な花が咲いた花壇や、小高い場所から見た景色が素晴らしくて、とても癒され、気持ちが良かったのです。私はその時感じた癒しをYさんにも体験してもらえたらと思い、“O市にある瑞泉郷に連れて行って、そこで癒してあげよう”と決めました。
 そして、会社でYさんに会った時に誘ってみました。車に酔いやすいYさんでしたが、瑞泉郷が家のすぐ近くにあることを知ると、「すぐ近くだし行きたい!」と喜んでくれました。その時、私が休日に一緒に出かけようと言ったことがうれしかったようで、涙ぐんでいました。
 家に帰ると、瑞泉郷にYさんを案内することを母に話しました。母は、私たちのことを思って、前日の土曜日にMOA健康生活ネットワークのみなさんと4人で草取りや清掃をしてくれました。私は会社から帰ってくると、みなさんに教えてもらいながら、盆点前の練習をしました。

〔「安定剤を飲むよりも気持ちが落ち着く」〕

 5月29日、彼女を車で迎えに行ってO瑞泉郷へ行きました。まずは、園内に咲いているお花を見ながら、「どれでも好きなものを摘んでいいよ」と言って採ってもらいました。はじめは、「なんだかもったいないな」と言っていたので、「大丈夫。たくさんあるからいっぱい採ってね」と言って摘んでもらいました。たくさんお花を摘んだ後は、瑞泉郷の中にあるお茶室に行って、牛乳パックで作った花器にお花をいけてもらいました。Yさんは、牛乳パックの手作りの花器を見て、「身近なものでこんなにかわいい花器ができるんだね」と興味を持っていました。
 お花をいけた後は、私が盆点前で抹茶を点てて、Yさんに飲んでもらいました。Yさんは、「8年前にお茶を習っていたけど、本番が堅苦しくて緊張するから、それが苦手でやめちゃった。こんなふうに楽しみながらお茶がいただけるなんていいね。こういうお茶をしたかった。ここでお茶をいただけるなんて思ってもいなかった」と、とても喜んでくれました。私が「もう一服いかがですか?」と勧めると、2杯目も飲んでくれて、2人でのんびりと瑞泉郷を眺めながらお話をして時間を過ごしました。
 Yさんは、「本当にここはいいね。癒されるよ。こんな近くにこんないいところがあったなんて知らなかった。安定剤を飲むよりもここに居る方が気持ちも落ち着く。こんなに癒されたことは最近なかった。また是非来たい」と言ってくれました。
 また、「私のおばさんが、仕事で溜まった疲れやストレスを山に登って発散するんだと話していたけど、私はここに全部捨てて帰るよ。会社帰りに寄りたいな」と話していました。夏になったらどこかのログハウスに泊まりに行けたらいいねという話をしていると、「私はここがいい。ここに泊まりたい」というくらいに、とても気に入っている様子でした。自然の美しい景色や鳥の声、虫の声などすべてがYさんの心と体を癒しているという感じでした。

〔笑顔が増え、楽しそうなYさん〕

 帰ってからも、すぐお礼のメールが届き大変喜んでいる様子でした。「またぜひぜひ誘ってほしい」とのことでした。母と草取りをしてくださったみなさんにYさんが喜んでくれたことを伝えると、みなさんも喜んでくれました。私は母やみなさんの協力があってこそだったと思い、心から感謝しました。
 次の日、会社に行くとYさんからすぐにお礼を言われ、「次は私も草取りを手伝いたい」と話してくれました。その後も何度か瑞泉郷へ一緒に行き、草取りをしたり、園内を散策したり、岡田式健康法を体験しました。Yさんはそのたびに癒しを感じるらしく、ストレスがたまると「畑(瑞泉郷)に行きたいな」と話すようになりました。
 気がつけば、Yさんはいつもつらそうに沈んだ表情だったのが、今では笑顔が多くなりました。

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