静岡県伊豆の国市
タイ全土で自然農法、岡田式健康法を推進
(一社)MOAインターナショナルと関連団体はこのたび、タイ王国文部省学修支援局(旧特別教育局)との間で、MOA自然農法、全人的健康法としての岡田式健康法の人材育成、普及啓発、研究開発に関する「協力協定」を更新。同国担当局の組織変更を受けたもので、プミポン・アドゥンヤデート前国王が提唱した「充足経済哲学」に基づく、健やかな個人・コミュニティーを創造する施策の一環として、タイ全土で自然農法、岡田式健康法を推進する取り組みがより力強くスタートしました。
調印式は7月19日、MOA美術館で行われ、自然農法と岡田式健康法に関する協力協定と共に、児童作品展など美を通じて国民の情操を養い、心身ともに健康な社会づくりに取り組む協力協定も更新。タナコン・ドンヌア学修支援局局長、(公財)岡田茂吉美術文化財団代表理事の中島宏平MOAインターナショナル理事長、杉本正徳(一社)MOA自然農法文化事業団理事長、鈴木清志(一財)MOA健康科学センター理事長、スチャーン・シンアムヌアイMOAタイ財団理事、ポンサワッド・チャーンチット・ランシット教育科学センター長、立会人として、内田篤呉MOA美術館館長、ワダニー・プアンメークロン・チョンブリ職業訓練センター・副センター長が協定書に署名。見守った自由民主党統合医療議員連盟会長の橋本聖子参院議員、外務省アジア大洋州局南東アジア第一課の田公和幸地域調整官、在日タイ王国大使館のブンダリカー・グラジャーンウォン公使参事官らの拍手を受け、互いに固い握手を交わして活動の推進を誓い合いました。
席上、中島理事長が挨拶し「タイの皆さまの、亡きプミポン国王陛下が提唱された充足経済哲学に基づく国づくりへの熱き情熱を感じました。そうであるほど、私どもMOAも、自然農法をはじめ、健康法、美による情操教育など、持てる力を結集して、その目標の実現に向かって、可能な限りの支援、協力をさせていただきたい」と決意。ドンヌア学修支援局局長は、協定に基づくこれまでの活動を称賛した上で、国民の健康のために、一般教育を受けていない市民も対象にして岡田式健康法を普及すべく、協定書に基づいて取り組んでいきたいと抱負を語りました。
今後、コロナ渦により停滞していた日本研修が再開され、8月から交替でタイの担当職員が来日。10日程度の大仁農場やMOA美術館、療院での研修が行われます。
◆健康問題解決を願い
◆結ばれた協力協定
タイでの自然農法の取り組みは約30年に及びます。
タイは国土の約40%を農地が占めるアジア有数の農業国ですが、農薬や化学肥料の多用による環境汚染や農家の健康被害、貧困問題が深刻化。こうした問題の解決を図るべく、プミポン・アドゥンヤデート前国王陛下の願いを受けて1990年、タイ王国文部省特別教育局(現学修支援局)、同国社会福祉協議会との間で「自然農法の協力に関する覚書」を交わし、チョンブリ県職業訓練センターにモデル農場が設置されました。
2007年には、同局の要請により、自然農法の人材育成、普及、研究に関する協力協定を締結。日本研修で自然農法の学びを深めた職業訓練センターや教育センターの職員によって、タイ各地で自然農法研修が行われ、自然農法を実施する生産者が飛躍的に増加。病院に農産物を販売するグリーンマーケットを設置して、ここを軸にしたネットワークが生まれ、販路の獲得、各種情報共有による共助体制が構築された結果、多くの農家の健康問題や貧困問題が解消されてきています。
2018年には、充足経済哲学に基づく国づくりのために岡田式健康法を取り入れたいとの特別教育局の要請で、これを踏まえた協力協定を締結。美術文化の面でも、児童作品展を中心にした取り組みを強化すべく2021年、同局と(公財)岡田茂吉美術文化財団(MOA美術館)、MOAタイ財団との間で協定が結ばれました。以降、新型コロナウイルス感染症の世界的まん延による活動の停滞があったものの、約100人が研修を受けるなど、着実に活動が進展してきました。
今回の協力協定の更新は、着実な実績を踏まえたものであるだけに、今後、自然農法と岡田式健康法がさらにタイ全土へ拡大し、環境汚染や農家の健康被害、貧困問題の解決につながるものと大きく期待されています。