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食生活改善推進員としての活動

2011.04.28

兵庫県  K・Eさん(61歳、女性)

 

〔自然農法に取り組んで〕

 私たち夫婦は、昭和62年からK市のMOA自然農法研究会に入っています。
 自然農法研究会では、みんなで話し合って年間計画を立てて、見学会やイベント行事に取り組んでいます。実施農家は主に稲作に取り組んでいますが、お互いの田んぼを実際に見て回りながら、勉強し合っています。また、役員を対象に、「自然農法研究会」を毎月1回開催し、栽培技術などの勉強会を積み上げています。
 自然農法を始めたころはいろいろと苦労がありました。特に除草は手取りでやっていましたから、大変でした。今から10年位前から、深水管理と太陽の光をうまく遮断することで雑草の生育を抑制し除草効果を高める方法に取り組み、除草が楽になりました。
 ご近所の方も自然農法に興味があるようで、稲の生育状況などをよく観察しておられます。それだけに夫婦で心を込めて一生懸命にやっていくことが大切だと考えています。

 

〔自然農法生産者としての喜び〕

 娘の仕事先の上司が、「孫がパンしか食べず、ご飯を食べない」と嘆いておられたと伺って、わが家で作った自然農法のお米を、出勤する娘に持たせたことがありました。しばらくして「孫がご飯を食べました!本当に驚きました!是非ともお米を分けてもらえないでしょうか」と言われ、わが家のお米を送るようになりました。
 注文の電話が入った時に、私がたまたま家を空けていたことがあり、奥さんは仕方がないので市販の最高級のお米を購入されたようでした。その後、奥さんから電話があり、「孫が食べないのよ。私たちはあまり気にもせず、何でも口にする。孫は口に入れて、パッと吐き出したのでびっくりしました。これは違うって、孫に教えてもらいました」と言われました。
 夫は嬉しくて泣いていました。この電話は、私たち夫婦にとって本当に励みになりました。
 野菜は自然食のお店にも出していますが、時々、店長から、消費者の喜びの声を聞かせていただくことがあります。「ダイコンがとてもやわらかくて、早く煮えたわ」「Kさんが栽培したサトイモがすごくおいしかった」などですが、私たち夫婦にとって、その一言が励みであり、喜びです。

 

〔料理教室を開催する〕

 ある日、ご近所の友人から「料理教室があるから行こうよ」と誘われ、気楽な気分で参加しました。兵庫県は、保健所で進めている食生活改善推進員の自主的組織として「いずみ会」があり、県民の食生活の改善や毎日の食事についてのアドバイスを進めていますが、この料理教室はいずみ会が主催したものでした。料理教室がきっかけになって、私も食生活改善推進員に登録して、料理教室などを開くようになりました。
 料理教室は地元の研修センターとA市のコミニュティーセンターで行っています。A市の料理教室は、お友達のKさんからの依頼で、平成20年から始めています。
 地元では、25年位前から、自然農法で生産されたお米と大豆を使用した「味噌づくり」行っていましたので、平成21年に味噌づくりをした時、「料理教室をやってみませんか」と参加者に呼びかけて、5月1日からはじめています。
 それからは、A市は偶数月に、地元は奇数月に行ってきました。A市での参加者は、10名~16名、地元の参加者は10名前後です。

 

〔料理教室の内容〕

 A市には夫が運転して夫婦で出かけます。私はレシピづくりと材料や調味料を用意します。コミュニティーセンターの調理室が会場です。はじめに参加者全員で体操を行って体を温めます。全員がリラックスしたところで、料理レシピを説明します。
 8月の料理教室は、「トマトの肉詰め焼き」「ひじきと大豆のサラダ」「イカのマリネ風」「ブドウいっぱいゼリー」の4品でした。野菜はわが家の畑で採れたものを使いました。普段は野菜と魚を使った料理メニューが多いのですが、この時は事前に要望があった肉料理も加えました。
 レシピの説明をした後は、4班に分かれて、各班で一つの料理に取りかかります。窓際にあるレンジ台で楽しくおしゃべりを交えながら料理を作っていると、時が経つのも忘れてしまいます。料理を作り終えたところで、2つの大きなテーブルを作り、料理を並べて食事会が始まります。
 料理は素材の味を大切にしたいとの思いから、薄味を心がけています。参加者からは「最近、家でも薄味に慣れてきて、夫も食材の味が分かるようになって喜んでいます」との声や、野菜中心のメニューなので、「料理教室でお腹一杯になったのに、夕方には消化して、胃もスーッとして夕食がおいしくいただけました」などの声を聞いています。
 また家庭で料理をしていただくことが大切ですから、誰でも作れるように簡単でちょっとした一工夫がポイントになるような料理レシピにしています。「料理のレパートリーが拡がったわ」や「作っておいしかった」「家族に喜ばれた」などの声を聞くと、嬉しくなりますし、やりがいを感じます。

 

〔「食でふれあう健康づくりの日」の開催〕

 平成22年、A市の料理教室の参加者から、わが家の畑で採れた野菜が「とてもおいしい」ということで、是非、畑を見学したいという話になりました。そこで“見学会を大いに楽しんでもらいたい。実際に農作物や畑にふれてもらう機会に自然農法についても知ってもらいたい”と願って、「食でふれあう健康づくりの日」との名称で、イベントとして開催しました。
 第1回目は5月5日に約30名の参加者で10時から15時まで行いました。午前中は畑を利用して自然農法セミナーと農業体験、昼食を挟んで、午後からは自然散策を行い、最後にお抹茶会を行い、一日ゆっくりと楽しんでいただきました。
 自然農法セミナーでは、楽しく自然農法を学んでいただけるようにクイズ形式の農業セミナーを行っていただき、正解率の高かった方には、お米や野菜をプレゼントしました。
 その後、畑で野菜の苗を植えました。お昼は農薬や化学肥料を使わず栽培した自然農法食材を使って自慢の昼食を食べていただき、「おいしい」「おいしい」と大変好評でした。午後からは自然に親しむことをテーマに、近くのキャンプ場のある山で散策を行ないました。
 みなさん大変喜ばれ、また「次も声をかけてね」と言われました。そして「自然農法で野菜づくりをしたい」と5名の方が希望されました。

 

〔仲間に支えられて楽しくやっていく〕

 10月29日には第2回目の「食でふれあう健康づくりの日」を行いました。当初会場は自宅を考えていましたが、参加者が68名となり、地域の農業研修センターを使わせてもらうことになりました。
 午前は、ボランティアグループによる手品や童話の読み語りと、要介護のリスクの高い運動器(*1)の障害についての講演会を行いました。その後、わが家で生産した自然農法のお米や野菜を使って、おにぎりとイモ鍋の昼食を提供しました。午後はマリーゴールドの畑に行って、摘み取り放題のプレゼントと、最後はお抹茶会で楽しみました。
 今回の行事には、H駅の前の花壇づくりを一緒にしているボランティアグループから4名の方がおにぎりづくりを協力してくれました。私がこれをしたいと声をかけると「分かったわ、やろうよ」と、言ってくれるので、こうした仲間に支えられて楽しくやっていきたいと考えています。みなさんの笑顔が好きだから、料理教室や「食でふれあう健康づくりの日」に参加されて喜んでいただければと願っています。

*1 動物の器官の分類の一つで、身体を構成し、支え、身体運動を可能にする器官。身体の支柱である全身の骨格と関節骨と、それらに結合する骨格筋、腱および靭帯が運動器に所属する。